ふくしま空間創造舎では、価値ある空間の1つとして、アニメーション上映会を開催したいと考えています。”アニメーションを楽しむ文化”を育むことができないか実験的に取り組んでいきます。
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記事一覧
つかみたい瞬間-若井麻奈美 《ひとりぼっちのヒーロー》(2014)
思い出すことができるだろうか。
ああ、きれいだ、とか、愛しいなあとか、そういう風に思って、頭や心を強くうつ瞬間というのは、誰しも持っていると思う。
たとえば、旅先でたくさん階段を上ったあとの、バン、と開けた景色とか、通勤電車からちらりとだけ見えた桜の木とか。誰かの寝顔とか、亡くなった人の表情とか、そういうのもあるかもしれない。
小学校に通う「ひとりぼっちのヒーロー」を描いた
ねむる前の、アニメーション-池亜佐美 《USALULLABY》(2013)
ゆったりとたゆたうイルカと、その上をかわいく飛び回るうさぎたち。
白と黒と、ぼんやりと震えるピンクをはらんだ灰色。落ち着く低音。
池亜佐美さんの《USALULLABY》にあるのは、これを見よ!と強引に引っ張る力ではなく、誰かがとなりに座ってくれている安心です。
目に入ってくるたくさんの文字情報、どうでもいいと思っているはずなのに見てしまうものの数々。そんなもので頭が忙しくなっているなあというと
アニメーションを伝えていくこと。
山村浩二さん
__地方のまちに足りないもの
ぼくが東京で出会った文化の1つに、短編アニメーションがある。もしかしたら、アニメーションと聞いた多くの人がいわゆる"アニメ"のことだと思うかもしれないんだけど、ちょっと違う。
短編アニメーションは、10〜15分くらいの短いアニメーション作品だ。長編では物語や冒険を伝えるものが多いけど、短編は映像表現に特化しているものが多い。その魅力は、音と動きのタイミ