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雑文 #52

2月9日、肉球の日。
または肉の日。

湿っぽい雪が降り路面はぐちゃぐちゃ。
空気はきゅっと冷えてまだまだ冬だと言っている。
遠くでは梅が咲いたらしいがこちらはまだ雪の花しか咲かない。
夜には時々嵐の音が聴こえる。

二月。

我慢の月というイメージがある。

バレンタインのチョコは、義理であげる人さえおらず父にだけ買った。
とうとう父にだけ…そんな年が来た。
だからチョコレート売り場に行っても心が浮き立たなかった。
チョコを選んでいる他の女性たちも、みんな義理のものを選んでいるように見えた。
そんな気がしただけなのだ。不思議なものだ。

バレンタインデーにまつわる甘酸っぱい思い出。
15歳か16歳の頃、クラスの男子がバレンタインデーの直前に
「おい、明日俺チョコとか要らないからな!」
と敢えて言ってきた。
私はそれを言葉どおり受け取った。
あれ…この人、私と仲良くていい感じなのにチョコ欲しくないんだ。そっか。

…アホか!
タイムマシンで戻って言いたい。アホかあんた!
そりゃフリってやつだ。
あんた、その男子めちゃめちゃイケメンじゃないか。
それ以後あんたはそんなイケメンに構われることなどないんだよ?
誰しもが認めるイケメンと付き合う絶好の機会を逃したんだよ?

…まあその男子は、四月には東京に行くことになったのですが。

いまなら軽く思う。
もしチョコをあげていたら、いい思い出になったのではないかと。

そのときは若すぎてバカすぎてわからないんだ。

彼はどうしているんだろう。
そんな人がちらほらいる。

淡雪。

#日記 #バレンタイン #散文


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