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雑文 #197 夏休み

一週間とちょっと、妹の家で過ごしてた。

数ヶ月に一回、まとまった時間を妹の家で過ごすライフスタイルは、秋田に住んでた頃から始まって、もう8年くらい経つのかも。
前から決まってたスケジュールだけど、私は半分期待・半分不安だった。

妹の家は電車や車で1時間以内のところで、帰ろうと思えばすぐに帰れる。事実、2晩を自分の家に帰って過ごした。これまで「ひとといるのがつらい」「一人で眠りたい」と激しく思って、中途で帰ってしまったことはなかったから、やっぱり私はここ8年くらいでいまいちばん調子が悪いんだろう。

猫と植物を移動してたから、また妹宅に迎えに戻って、昨日本格的に自宅へ帰宅した。
猫もホッとしたような顔をしていた。

誰かとずっと一緒にいるのは、もちろん孤独から免れて、最近の私の淋しさが紛れて良い効果を得るだろう、と思ってた。これが期待してた半分。
不安だったのは姪とのミッション。大したことじゃないんだけど、そして楽しみでもあったんだけど、とにかくいまの私には何でもしんどい。たとえ小さなことでもちゃんとこなせるだろうか、という不安がつきまとう。

姪とふたりで濃密な2日間を過ごした。結果的にはミッション大成功。小学一年生の彼女と過ごした時間は、きっとずっと思い出に残るだろう。遠い昔、亡き親友と過ごした日々を思い起こすように、これから時々ハッと思い出すのかもしれない。
誰かとふたりでひとつの部屋で眠ることが久しぶりだった。
姪は先に寝て、静かで、テレビも音楽も点けず、穏やかな深夜の音を聴きながら、一瞬「このまま時が止まればいいのに」と思ったから、私はあのとき幸せだったのだろう。
幸せの定義はいろいろだと思うけど、ああこの瞬間が永遠に続けばいいのに、と思うことが、私の幸福の基準だと思っている。

私は水曜日ぐらいからまた調子が崩れ始め、ちゃんと眠れなくなったから、世界が敵になり出した。
私は無力で、何もできない不要な人間だと思いつめるようになる。眠れないとこうなる。とても余裕がない。
安眠できれば治るのだよ、と、経験のある自分がどこかで言っているのだが、眠れないときは頭がガチガチで言うことを聞けない。

「いったん家に帰る」と言わなければいけないことと、どうしてこんなに不調に戻っちゃったんだろうという悔しい思いと、屈託のない姪の笑顔と、いろいろ混ざって泣きたくなるけど泣く気にすらなれない。

「今日はこれこなせるかな」といちいち不安に思いながらじゃないと暮らせない。
本来の私は、もっとおおらかで能天気な、リラックスした人間だったはずなのにな。
もうずっと、本当のリラックスを実感してない。

不安なままに、また日帰り出張に来ている。
姪は今日から新学期。
私も休めない夏休みみたいなものを終え、日本の真夏もピークを打ったようにも見える。

苦手な夏が終われば大好きな秋。
秋は私の味方をしてくれるだろうか。

#日記 #雑文 #散文 #夏休み


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