マガジンのカバー画像

Momoの作品集

12
気まぐれに書く短編と掌編をまとめます。
運営しているクリエイター

#小説

掌編小説:からくり時計

 新人絵本作家の交流会がプラハで開催される。この催しは今回が初回で主催者がチェコの絵本作…

Momo
4週間前
15

掌編小説:不即不離

 洗いたてのシーツを伸ばし、ベットの上で広げる。四隅に回り込み、余ったシーツを折りたたむ…

Momo
1か月前
7

掌編小説:キャンディ

 「〇〇新聞の記者をしています。少しお話いいかな」  公園の炊き出しに並ぶ、ごわごわの髪…

Momo
1か月前
21

掌編小説:青春時代

 窓から日差しが差し込んで、床にガラス戸をかたどった日だまりができている。教室の天井に設…

Momo
1か月前
8

掌編小説:親愛なる私

 「3、2、1、さあ、お目覚めの時間よ」  パソコンの駆動音がだけが鳴る静かな研究室の中、…

Momo
1か月前
14

掌編小説:狩られる

 視界が稲光の様に明滅する。  殴られた勢いで体を激しく地面に打ち付け、追い打ちをかける…

Momo
2か月前
6

掌編小説:不確かな境界線

 ----へそのないミイラ。始まりの人のミイラが存在する世界…。  私は食卓テーブルに腰を掛け、テッド・チャンの『息吹』を読んでいた。この本は短編集で、読んでいたのはオムファロスというタイトルの話だ。面白くて一気に読み終えると本を閉じた。  「ねぇ母さん、始まりの人のミイラって本当にあると思う?」  母は肉じゃがを盛りつけながら、笑う。  「あるのかなぁ…たぶんそれフィクションだと思うよ。あったら見てみたいね」  肉じゃが、味噌汁、ご飯をテーブルに置くと、母は私の向

掌編小説:Love Again

 夏の日差しが窓から入り、洗濯物を畳んでいる手元にかかる。  潔癖症の美香は、洗濯物を外…

Momo
2か月前
2

掌編小説:一人の僕

 小学校低学年ぐらいだろうか、男の子が図書館のトイレから出てくるとポケットをまさぐりなが…

Momo
2か月前
2

掌編小説:愛嬌

 今日は土曜日だ。 微かに館内BGMが聞こえてくる図書館のバックヤードで、ページの外れた…

Momo
1年前
6