077.キラキラのひかり [Ir イリジウム]

頭にキラキラの冠をかぶって、はだかの王様はやってきた。


おおさま〜〜✨✨✨ おおさま〜〜✨✨✨


集まった民衆は、王様に手を振っている。みんな笑顔だ。王様が手を振り返すと、大喝采が沸きあがった。私は王様をなんとか一目見ようと、人だかりの中、必死で背伸びをした。よく見えない。よく見えないけれど、それでも私は感動していた。近くに王様がいる。そう思うだけで、涙が溢れた。


王様が・・・。あの王様が、すぐそばに。



はだかの王様は、お腹はでっぷりしたビール腹だし、おちょぼ口だし、勿論はだかだし、一体何がそんなに素晴らしいのか分からない。それなのに、私は私のすべてを捧げても構わないと思うほどの、圧倒的な感動に包まれていた。ここにいるみんな、そうなのだろう。打ち震えるような歓喜が、電流のように体中を駆け巡る。

頭の中のどんな闇も陰りも吹き飛ばし、もはやここには光しかない。大きく波打つ光の奔流。あらゆる理性を乗り越えて、私の手を引いていく。


王様!わたしの王様!!!

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