拝啓 あの人へ。

3月は、お別れの季節。
別れるからこそ、新しく芽吹いてくる何かに想いを馳せる季節。

ねぇね、元気にしてる?元気にしてるといいなぁ。

本当に人間って自分勝手でさ、
自分から手放したのに、
ふと、思い出して

ぁぁあ、手放さなきゃよかった。
なんて、思うんだよね。

あんなに寄り添ってくれたのは、確かにあなた1人でした。

私はいつも、大切な人に寄り添えている気がしてないんだ。
いや、寄り添えてるのかもしれないけど現実は。

でもさ、何も言わずに、ずっと隣にいる事の堪忍深さ。そんなかっこいいもの、持ち合わせてないんだよ。

今でも思う。
ありがとね。
あなたからもらったから、

今、私は大切な人を寄り添えずとも、
ぎゅっと包めている気がするよ。

方法は違えど、これは確かにあなたがくれたもの。

多分、ね、一生忘れない。
おばさんになっても、おばあちゃんになっても。

もし、今苦しんでる大切な人がいるならば、どんな方法でもいいから、私のこの小さい身体でぎゅっと。
包み込もうと思う。

一緒に泣きたいと思う。

それは、あなたから、私から、そして、また誰かの大切な誰かへ。

確かに私は大切なものを受け取って、運んでるよ。

心から、ありがとう。
いつか、いつか。

ずっとずっと元気でいて下さい。

3月です。
こちらは雪が溶け始めました。

そちらはいかがですか。
いかがですか。


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