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神様が褒美をくれたような一日

きょうは人生初、かつ、最後になるであろう中学校の図書館で司書のお仕事だった。募集がかかり、手を挙げたらお呼びがかかったというわけだ。ずっとほかの学校に行ってみたかったのでうれしかった。

とてもきれいな中学校だった。先生方も朗らかでほっとする。図書室はきれいに整理されていて、展示もおもしろく、つい本を手に取りたくなる。
小学校と違って、「しぇんしぇーしぇんしぇー」と私を呼ぶ子もおらず、膝の上に乗ってくる子もいない。書架の面々も、ちょっと大人びている。小から中に上がるだけで、こんなにも環境が変わるのか。
ひたすら棚を整理する。一般書の背を眺めると、公共図書館で勤務していたことを思い出す。本との出会いが多発する毎日で、積読本が常に10冊ほどある状態だった。

書架の整理をしたり、座ってぼんやりしたり、パソコンで事務作業したり、蔵書の『さるのこしかけ』(さくらももこ著)をクスクスしながら読んだり、きょうという勤務を満喫する。中学校には「図書の授業」がないから読み聞かせもない、きょうは授業利用もない、休み時間に誰も来ない。「余裕」という2文字に包まれた一日だった。やっぱり余裕がないとできないこと多いよな、と開き直る。

給食は、具だくさんの塩ラーメンだった。これがめちゃくちゃおいしかった。図書室でひとり、リラックスしてたべる。

無事に勤務が終わり、ほっとした気持ちで学校をあとにする。
夜ご飯に、ほうれん草がのったおいしいラーメン屋さんに寄る。行列ができるお店だが、並ぶことなく入ることができた。丁寧につくられた鯛塩ラーメンはとてもおいしかった。

朗らかな気持ちで、風が涼しい帰り道を歩く。昨夜、ついにクローゼットの上段から毛布をとり出した。今夜もふわふわの毛布にくるまって眠れることをうれしく思いながら家路についた。

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