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私はワーママという言葉が好きじゃない

私自身、子供を育てながら仕事をしているのでいわゆる「ワーママ」に分類されるのですが、ずっとその言葉が好きになれず自分にはあてはめられずにいます。という話。育休復帰直後の心境を語った雑談回です。


ワーママとワーパパは明確にイメージに差がある

というか「ワーパパ」という言葉は一般的ではありません。子持ちの男性社員、という感じでしょう。そして多くの家庭は男性よりも母親のほうに育児比重が偏っているはずです。
このように子持ちの男性よりも女性のほうが、子供が生まれる前と比べて大きく生活や仕事のスタイルを変化させる必要が出ているため「ワーパパ」は無く、「ワーママ」という言葉だけが定着しているのだと思います。

女性が子育てをメインでやるもの、という思い込みからの厚意

我が家は私がフルタイム復帰し、夫婦でなるべくサポートしあって負担が偏らないように協力しよう。という方針でやってきました。
それでも結果、現状はまだ女性である私側に育児比重が偏らざるを得ない状況になっています。

夫はJTC勤務で周囲には子持ちの同僚男性は多いものの、配偶者は専業主婦というケースが圧倒的多数でした。おそらくフルタイム復帰の私のことは未知の生物くらいに思われていたのではないでしょうか。フルタイム共働きの理解者が居ないので、子の対応が必要なときに協力を得られづらかった・・というか、ダイレクトに査定に響く恐怖が常にあったと思われます。

一方私はゲーム会社かつ平均年齢的にも若い会社なので、一定の理解はありました。また私が女性だから、周囲が厚意で融通を利かせてくれた面も少なからずあると感じます。
このように社風という違いもありつつ、やはり女性のほうが大変なんでしょ?融通するからねと周囲の気遣いの結果、子供の病気などのイレギュラーが発生した場合の負担が私側へ偏らざるを得なくなりました。
フルタイムで働きつつ、子のサポートで空けてしまった仕事の穴を深夜と休日に埋めていくとさすがに体力的に疲弊してしまい「維持できない!と感じた家庭の多くが家庭的戦略で女性側のキャリアを縮小してゆくのだな・・」をリアルに感じたのでした。

子持ちフルタイムの女性社員が圧倒的に少ない中での孤独

私の会社では子持ちの男性社員が多く、みんなとても協力的であり友好的でした。それに助けられたことも多々ありますが、多くの場合配偶者は専業主婦か時短勤務の方が多く「奥様のサポートがあってうらやましい・・」と思うこともしばしば。私の部署・職種では過去に育休をとった女性がいたにもかかわらず、多くはそのまま子持ちが働きやすいといわれる別部署へ復帰してしまった過去があり、私が初のフルタイム復帰となりました。「周りに子持ちの男性社員多いし、大丈夫だろ、ガハハ」と思って復帰したものの「やはり女性である自分は違う」ことにショックを受けました。

「男女平等になってほしいと願いながら型にはめる」矛盾への抵抗

育児を夫と折半していく生活スタイルをとりたいのに、性別における役割イメージのせいで職場で得られるサポートに差がある。そして私自身もそのサポートを有難がって受けないと生活自体を成立させられないのです。
男女平等を望む一方で、女性だからというサポートを受けようとしている自身の矛盾、ダブルスタンダードに悩む日々を続けています。
私はワーママという型にはめられ、自らも利益のために片足を突っ込み、でも心から納得はできていないので「ワーママ」という言葉をつかえずにいます。

なんという言葉なら良いのか

短くてとても便利な言葉なので、なくなってほしいわけではありません。
私が書いたようなネガティブな意味を感じずに使っている方も多いと思います。
ただ、無意識化の思い込み、型へのはめ込みを感じずにすむ言葉があったらなぁと思わずにはいられません。出産後も仕事を続ける女性の割合がこれからも増え、多様な選択肢から選べるようになっていたら、きっと抵抗なくワーママという言葉が使えるでしょう。きっとその頃には育児の比率が女性10割から男性10割まで、勤務形態もフルタイムから時短やパートなど多様なグラデーションになっているのが当たり前であってほしい。

それまでは自称「子持ちの女性社員」で行こうと思います。


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