昔々あるところに…その3
おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。
おばあさんが川で洗濯をしていると
どんぶらこ~どんぶらこ~と大きな桃が流れてきました。
それを見たおばあさんは
。〇(これほどの大きなものは見たことが無い。
とはいえこの形状、恐らく普通の桃とは考え難い。
新手の都の兵器か?いや待て、兵器であるなら
市民が簡単に触れそうな形状である事は不自然。
現に私も
「大きな桃だ!ラッキー♪おじいさんと二人でたっべよ☆」と
年甲斐もなく思ってしまった。
この桃には何か裏があるはず、触れるべきか否か、
まずはそこを判断せねば。
まずこの桃は何処から来た?それは川上だろう。
では誰かが流した?その可能性はある。
この山一帯はおじいさんの土地ではあるが、
広すぎてその全てを管理しきれていないのも事実。
度々不法侵入する者も出ている。
ということはその誰かが不法投棄した可能性は十分にある。
誰かが捨てたものであるならばこのまま流した方が賢明か?
だがそれはできない。下流は海に繋がっていない。
そしてそこもおじいさんの土地。
つまりこの桃が領内にずっと残り続ける事になる。
おじいさんは歯に引っかかって中々とれないスルメやお肉のすじに
ストレスを感じる人。
やはりここはこの場で拾い上げるしか!)
この間約0.001秒
おばあさんは袖の下から出した網を川に投げ入れると
大きな桃を拾い上げるのでした。
「後はこの所有物が不明の物を拾った私が横領になるかどうか、
おじいさんに聞かないと」
一抹の不安を残しながら帰路につくおばあさんであった。
めでたしめでたし
×洗濯
〇選択
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