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マウスピースという悩みのタネ。

中学でトランペットを手にしたとき、楽器ともどもマウスピースなんて、音楽室にあった当てがいぶちのものを使っていた。そのうち、親にねだってヤマハの楽器を手に入れたときも、付属してきたマウスピースをなんの疑いもなく使っていた。
トランペットについての指導者もいなければ、誰もマウスピースがどうのこうのと語る人もいなかった。

高校では、吹奏楽部がなかったのでやむなくオーケストラに入ったが、3ヶ月で辞めてしまった。

そして大学。その頃から興味を持ち始めていたジャズというものをやってみたくて、軽音学部に入った。その頃経験のある楽器は、ハーモニカとリコーダー、何故だかバンジョーとトランペットだったので、迷うことなくトランペットを持ってbig bandに入れてもらった。

下手といえども、それなりに中音域の音は出せたし、一緒に入部したトランペットのM君よりはマシに吹けていると思った。しかし、やっぱり悩みは高音域。big bandとなれば、3番4番でも、そこそこ高い音域が譜面に現れるから。

ここに来て初めて、先輩からの情報で、アンブシュアという言葉を知り、マウスピースを選ぶということ直面した。持っていたマウスピースは、多分一つ。どうやって手に入れてたのかわからないけれども、nikkanの5MS TR1というもの。バックでいえば5cか7cか、よくわからないというシロモノ。何の疑いもなくこれを使っていた。

高音が出せないという悩みに応えてくれたのが、当時7年生という敢えて留年し続けてプロの道を歩み始めていたKさんという大先輩。この人が、Al Cass milford,massというとても小さくて浅いマウスピースを譲ってくれた。よくわからないまま、カップが浅いマウスピースだと、高音が出やすい!となって、卒業するまでこれを愛用した。確かに高い音が少し出せるようになったんだね。

でも、当時、マウスピースに関する話はこれだけ。浅いカップで一応解決したし、卒業と同時に辞めてしまったから、悩みも消え去った。

さて、それから半世紀近く過ぎて、また再開した時に、やっぱりマウスピースが第一の悩みとなった。なにしろまったく音が出ない状態からのリスタートだから。あの頃出たはずのマウスピースなのに、高音どころか中音域もダメ。こうして私のマウスピース探しのたびが始まった。

カップは浅い方がいいのか、小さい方がいいのか、リムの幅は?カップの形は?ブランドは?マウスピースって、案外高い。国産のヤマハでもうん千円。ネットオークションを見続け、入手しては、なんか違うなーと言ういうのを繰り返して、現在手元にあるのは、コルネット、フリュゲルのも含めて20個のマウスピース。唇はひとつしかないのに。
それでいて、未だにこのマウスピースだ!という確証もないまま、いまはバックでいうところの3Cにあたるマウスピースに落ち着いているのです。

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