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永く冷たい産後クライシスの終わり

第1子を産んでから2年と7ヶ月。永く冷たい産後クライシスが終わった。
その間夫婦で一緒に笑い合うこともあったし、楽しいこともたくさんした。だけど基本的にピリピリしていたし、一触即発って感じがあった。

何より私は、どこかでずっと夫のことをズルイと感じていた。

冷戦を終わらせた夫の一言

毎週なんやかんやで小競り合いがあり、その日もそうだった。
その日は私が幾分ましな精神状態だったからやや冷静で、ギリギリのところで煽ったり罵ったりしないですんでいたため、なんとか会話しているような状態だった。

子どもたちの前で話し続けているから、飽きてしまった彼らが注意をひこうと騒いでいる。全然、集中してゆっくり話し合う時間が取れない。

そんな状況で、確か私は彼に「これからどういう風に過ごしていきたいの?どうしていきたいの?」というようなことを聞いた。
そしたら、彼は「(私)と一緒にいたい」と言った。

それで産後クライシスは終わった。 

ズルイ

妊娠、出産は夫ではなく私がする。この事実をスタート地点として、私は夫に対して不公平だと感じ続けるループにはまってしまっていた。頭では色々わかっているはずなのに。

子どもが幼いので私が在宅仕事をしているこの期間、夫がフルタイムで働いている。彼は基本的に穏やかで、私に嫌なことを言われても声を荒げることはない。
彼も家事をしている。基本的な子どもの世話もそつなくこなし、休日は私に1人で出かけてくるように促す。
それでも私からの不満はいくらでもあった。まさに冷戦状態。

なんというか、子どもが生まれる前までは2人は「同じ」だった。
夫とは同級生で、物事の考え方のレベルがだいたい一緒だ。様々なものの好みも似ていると思う。基本的な性格は真逆で、それが面白かった。
2人とも働いていたし、それぞれに好きなこともあった。同じものを見て笑ったり楽しんだりすることができた。

非常に馬鹿げたことを言うけれど、妊娠したら私のお腹だけが大きくなった。出産の時も私だけが痛かったし、母乳も私しか出なかった。子どもが生まれたら、家にいる時間が多いという理由で基本的に私が夜泣きの対応をした。
どれもこれも仕方ないし全部納得してやっているはずなのに、私の中の「ズルイ」はどんどん膨らんでいったように思う。

彼と「同じ」じゃなくなったように感じていた。というか、はっきり違う生き物として、役割を分担することが必要な状況になっていた。
ホルモンバランスとか寝不足とか急な環境の変化とか初めての育児とか初めての2人育児とかホルモンバランスとか、私を疲弊させたりイライラさせる要素はたくさんあったけど、「彼と「同じ」ではない→不平等だ→ズルイ」という考えに取り憑かれて、それに1番イライラしていたと思う。

なんで終わった?

たぶんこの「ズルイ」という気持ち、「彼と同じではない→不平等だ→ズルイ」は、突き詰めると結局さみしいという気持ちだったように思う。私だけがこっちの世界に来てしまった。怖い。不安だ。さみしい。なんでそっちにいるの?
やることもたくさんある。大変で辛い。ずるい。ズルイズルイズルイ

だから夫が「(私)と一緒にいたい」と言ってくれて嬉しかったし、安心した。そこは変わっていなかったんだと思えたし、多少、いまはこれでいいんだと思えた。
そしたら次の日から、優しく「おかえり」が言えた(当社比)し、ポジティブなもしくはくだらない会話が増えた。

(クライシス期には、子どものことなど必要事項の伝達といった業務連絡がメインだったし、たぶんお互いが「一緒にいない方が良さそう」って感じていた。それも辛かった。)

夫ごめん、ありがとう

子どもと過ごしていると、大抵のことの正解がわからない。これでいいの?なんて言えばいいの?こうしたほうがよかったの?ってことばかり。最近はだいぶ適当にできるようになってきたけど、初めの方はピリピリ度もかなり高かった。

2人の子どもなのになぜ私だけがプロジェクトリーダーみたいになっているんだ。たまに飛び出す「言ってくれればやる」的な発言にとんでもなくイライラした。

でも当たり前だけど、夫サイドでもそういう状況は初めてで、きっと不安だったんだよなあ。妻が妊娠するなんて。子どもが誕生するなんて。変わらず働きながら新しいことを学んだり、実行したりするなんて。
そっち側に立って考えられなくてごめん。嫌なことをいっぱい言った。

あれから少し毎日がラクだし楽しい。夫がやってくれたことを見つけて、素直にお礼を言おうと努力できる。

今までもこの状況を乗り越えるために色々考えて色々やってきたけど(たぶんお互いに)、あの一言が流れを変えてくれたのは間違いないと思う。
諦めなくてよかった。その時がくるまで付き合っていてくれてありがとう夫。

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