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陰謀論を疑うレベル
ネタはとっくに尽きている
後半はまじめな話を書こうと思うのだが、まずは軽く「ムー」の編集長が語ったとされるこの言葉から。当時かなり話題になったので覚えている方が多いと思う。私も実家に住んでいた頃、ときどき「ムー」を読んでいたので懐かしさもあり、昨年帰省したときに本棚を探すと1冊残っていた。確か1991年1月号だったと思う。巻頭特集は「今年アトランティス大陸が浮上する!」だった。すごいぞ!しかし、残念ながらというべきか、私の記憶が確かなら、この年アトランティス大陸が浮上したことはなかったはずだ。
地球平面説
『ストーリーが世界を滅ぼす』の中に陰謀論の古典として「地球平面説」が登場する。(注:この本の著者は「陰謀論」という表現は不適切であり、「陰謀物語」と呼ぶべきだと主張している)地球平面説の生みの親はサミュエル・バーリー・ロウボサム(1816-1884)という人物で、約150年前に作られたこの説を現代アメリカの成人の2%にあたる600万人ほどが今でも信じているそうだ。むーん、おそるべし。
陰謀としか思えない
さてまじめな話。アメリカの統計学者エドワーズ・デミングに『危機からの脱出』という著作がある。これは1980年代に苦境にあったアメリカの製造業のマネジメント手法の問題点とその対策案を提言するもので、比較対象として当時の米国市場を席巻していた日本の製造業のマネジメント手法を取り上げている。
この本の中で「死に至る病」と批判されている欧米流マネジメント手法の悪癖は次のようなものだ(一部、要約)
事業継続を目的とする企業活動の一貫性に欠けている
株主を喜ばせるための四半期配当や短期利益の追求が上記に拍車をかけている
敵対的買収の恐れから、短期的な株価上昇を志向しすぎている
パフォーマンス評価、人事考課、年次レビューなどの「数値によるマネジメント」が従業員のモティベーションを損なっている
個人評価だけでなく、部門評価の仕組みも短期的思考を強化し、長期的な企業活動改善の努力を削いている
短期間で今のポジションから別のポジションへ、今の企業から別の企業へと渡り歩くマネジメント層の過度な流動性が企業存続に必要なチームワークを破壊している
いま目に見えている数字だけで会社を動かし、本来見なければならない数字、可視化が難しい数字を見る努力を怠っている
詳しい内容は本書に譲るが、ここで「悪いマネジメント手法」とされているものの多くが、その後の数十年で日本企業に取り込まれてきているように感じるのは気のせいだろうか?少なくとも私の身近な企業ではここに見られる欧米流のマネジメント手法が次々と導入され、その結果として従業員の個人的なモティベーションを低下させたり、従業員同士が協力しあう風潮を毀損したりと悪影響があったと間違いなく思う。これは日本の競争力をそぐためのアメリカの陰謀だったのではないか!?最近よく耳にする「ジョブ型雇用」ってのも、どんな悪影響を生み出してしまうのだろうかと新年早々気が重いのである。
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