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クソみたいな仕事ってなに? それは「自分が自分でなくなってしまう」仕事。 クソみたいな仕事をしていたら自分が自分でなくなる。 自分が自分でなくなってしまうと自分ではない、それは、ない、 ありえない、あってはならない。のに。でも。 それでも。 クソみたいな仕事をしている主人公たち、 つまりそれは著者自身であり「私」である。 そんな「私」たちの〝私労働小説〟。 『私労働小説 ザ・シット・ジョブ』 この本は、 出てすぐに買って、 勿体なすぎて1章1章読んだのだが、 毎回気持ち
上間陽子×武田砂鉄 村田沙耶香×荻上チキ え、どちらの対談も読めるの?! 書店でページをめくってちらっと読んだ瞬間に 「もう買うしかないやん」とを手に取ったのは先日のこと。 『暮しの手帖』 〝創刊75周年記念特大号〟 優雅で丁寧な暮らしには憧れMAXながらも程遠い人間や人生ではある。 この本で取り上げられているような、 お料理とか、お出汁をひくとか、誰かのためのとか、とは、なんて苦笑もする。 で、この本は以前にも読んだことはあるけれど毎号という訳ではなかった。 でもでも。この
過去に観た作品を読み返したり、 観返したりすることの素敵さ面白さ。 ここ最近の仕事中のBGMがわりは ドラマ『ナイルパーチの女子会』だった。 2巡目だ。 ネットフリックスの新着にあがっていたので「わぁ!」となった。 小説を読んでぶん殴られたような気持ちになった作品だった。 テレビドラマも放送時はリアタイし、 毎週友人と感想を語り合っていた。 まさか、また観られるなんて。 この作品に関しては一切のネタバレを書かずに めっちゃおすすめをしたい。 なので、これ以上は書かな
タイトル、ちょっと濃い。 〝歌舞伎座の怪紳士〟 勿論あのミュージカルをもじって付けられたのであろうことはわかる。 けれど、漢字ばかりが並ぶからかな、 怪と紳士が並ぶと圧が強いよなあ、そこが、それが、ミソやんなあ。 そんなタイトルに反して、内容は、とても、とてもやさしい。 あたたかくて、やさしい話だった。ヒネクレ者のわたしでも何度かホロリ。 劇場と、人と、人びと、物語と「私」の話だった。 多作で知られる近藤史恵さん。 最近はドラマ『シェフは名探偵』の原作者としてご存じの人も
間食(おやつ)。 それらは、命を繋ぐための「食事」ではなく、だけでなく、 楽しみや、気持ちを満たすためのものとしての意味もある。 お喋りもだ。 お腹の足しにはならないかもしれない。 けれど、楽しみや、気持ちを満たすものとしての意味や、 生きる上での指針や希望に繋がるということもある。 おやつ、女子会、雑貨店やお洒落、芝居や、劇場。 でも、食生活が状況や環境によって満足にゆき届いていない場合には、 おやつはご飯になる、せざるを得ない時もある。 女子会やお喋りも、楽しみのためじゃ
劇団☆新感線の『野獣郎見参』は好きな芝居のひとつだ。 作者の中島かずきが「〝いのうえ歌舞伎〟リスタートとなった作品」と言っているが、今も人気の同劇団の芯や方向性を感じるような1本だと思う。 安倍晴明や陰陽道をベースにした、人と妖、 同劇団が得意とする伝奇活劇(チャンバラ)だ。 晴明ブームは初演時にはまだなかった。 映画の陰陽師だったり、OSKの『闇の貴公子』が上演されたり、 で、晴明神社がなんか観光チックになったりしたのは、 再演の前後だったように記憶している。 同劇団らしく
学生時代の劇団の先輩に文楽のカメラマンが居た。 最もお世話になった先輩の一人だ。 でも当時特に伝統芸能に詳しかったとか好きだったとかいうことはなかったので驚いた。 学生時代ぶりに「Momo、歌舞伎とか落語とか好きやん? 大衆演劇とか。実は私今ね……」とか連絡が来て、会ったり、話を聞いたり、頻繁にお茶したりしていた。 「おじさんたちの撮るの、なんか違う気がするねん。お洒落に撮りたいねん」 ということで公演中の楽屋にも同行したりしたが、わたしはド緊張。 お会いしたうち、お一人はも