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街は劇場

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日々すれ違う名も知らぬ皆にツッコんだりグッときたり
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#人生

アイドル 紅白の蘭ちゃんとおじさんたちと恋と愛と豊

紅白歌合戦の伊藤蘭を観て涙がぶわーっと出ていた。 正確に言うと違う。 紅白歌合戦の伊藤蘭とその応援さんたちを観て涙が止まらなくなった。 あたりまえだが世代じゃない。 でも懐メロ番組に長年も長年かかわってきたのもあり、昭和歌謡には詳しい。 キャンディーズ? 好き。拓郎も好き。って、わたしのそんなことはどうだっていい。 紅白は毎年観る。 でもこの数年のわたしの怒りはMAX of MAXだった。 歳をとったからだ。 違う。 あきらかにネット民のバズりを期待してる感を感じるか

舞台とリングと、人間と 『教養としてのプロレス』のこととか

突然ですが、 わたしはなにかを「絶対にそう」「絶対にこう」とかすること言うことがあまり好きではありません。 たいへんにこわいことであり危険なことではないかなと常々思っています。思うようにしています。 そういった風潮や群れることはなんだかどこか「こわいなぁ」となります。 例えば「なにかが絶対に悪」とか。 みんなが言っているから悪とか、 みんなで言ってみんなで悪にしちゃうってこともとても多くない? だから、どちらか一方に肩入れをし過ぎてしまうことはとても危険じゃないかなぁ

まっすぐ それぞれの『青春の影』

チューリップの『虹とスニーカーの頃』を聴いた時はぶったまげた。 初めて聴いたのは若い頃、ワルい年上の友人たちとの徹夜カラオケだった。 だいぶ年上の「職業・芸者」の姐御が明け方頃に踊りながら歌った。 「この歌……すごい歌詞やね」 「え、そんなん思ったことないわ、でもそう言われてみたらヤバいな(笑)」 「ヤバすぎる、歌い出しから、しかも何度もそのフレーズ出てくるし」 「そういう時代だったのよね、おい和夫(笑)」 先日NHK「のど自慢」のトリとして登場した方の歌を聴いて数日して思い

オバ様と芸人と、旅と

「いきなり!日帰りツアー」が後何回?!で終わる?のが悲しい。 観たり観なかったりながら見したり観なかったり観たらほろっとしていたから。 以前も書いたが、関西の朝の番組の中の週1コーナー。 芸人が商店街に赴き、歩いているオバ様に「今日今から旅行行きませんか」と声をかける。 オバ様は一緒に行けそうなお友達だの娘さんだのに電話をして「行けるっ」となったら そのままびゅーんッと国内の1日ツアーへ。 観光、おいしいもの、お土産、タイトル通りの「いきなり日帰りツアー」。 なにげなく観

上を向ぅいて

母方の祖母は歌が好きだ。 通っているデイサービスの催しものの中でも 月1のカラオケの日を心待ちにして稽古をしている。 長年昭和歌謡番組を担当してきたといういけすかねぇ孫が、 週に何度かの訪問の際に面白がってスマホのYouTubeから大音量で動画を観せたことが、いけなかった。 「今時はそんなケータイから音が出るのんか」 「せやねん。携帯から音出るし観れるねんで」 延々リビートさせる。耳元に置かせ大音量の中よろりよろりと歌う。 歌詞を紙にデカい字で書いて渡せと言う。 「なんやこれ

演歌とソウルと峠の話

演歌の歌詞の大半は「アウト!」だと思っている。 笑えんけど笑えたり、笑わなしゃあないレベルで笑ったりする。笑えない。 例えば、ちびまる子ちゃんが歌うことでもお馴染み、 殿様キングスの『なみだの操』、あれ、あかんやろ。 おっさんが歌うからよりキモいと思ってしまうのかもしれない(失礼) 似た系統の「塩辛声のおっさんが歌う古い女(男にとっての都合のエエ女)の歌」といえば宮史郎とぴんからトリオの『女のみち』もある。っていうか、こっちが先。 この歌は旅芝居界でも1,2を争うイケメン

スピードとミカンと重ねることとラリアット

歩くのがマイブームだったから自転車はひさしぶりでした。 お天気の朝、しゃーっとペダルを漕ぐと、ふわぁーっと春の風が顔に当たって、なんだか爽快な気持ちになりました。 調子に乗ってあまりお天気の中にいると花粉でえらいことになるので、 用事を済またらすぐにしゃーっと帰ったから、往復でもものの30分ほどだったのだけれど、頭の中がちょっと楽しかった今朝でした。 10000歩あるくという話を先週つぶやいた際も書いたのですが。 歩くのと自転車を走らすのとでは、みえる景色も頭の中にめぐ

大阪の翁、聖者の行進

近所のジイサンが叫んでいた。 「わしの人生は清く正しく美しくや」 なんでそんな言い切るねん。 笑うのを通り越してしみじみした。 ジイサンと言うには失礼かな、 でもオッサンではないな、やっぱジイサンかな、そんな歳のひと。元気。 ちょっと面白くなって振ってみた。 「そうなんですか?!」 速攻返事が返ってきた。 「そうや! 昼にラーメン食うたら夜なんも食わんでええねん」 意味わからん。 いや、私がわかっていないだけなのかもしれない。 この人は悟りをひらいたりとかしているのかもしれな

プロジェクト“You”/例えば近所の大工のオジイ🛠

職業、大工。 「丁稚からなぁ、修行してきましたんやでぇ!」 齢、80over。いつもカンカン帽にランニングにサスペンダー。 私はこのひとのファンである。 ひょんなきっかけで大工ということを知った。 私がいつもの如く愛車ヤングライオン号🚲で疾走していると遭う。 時にふらふら、時によろけながら現場で若い子らに教えている。 「ねぇちゃん!」「はい!!」「今日はええ天気でんなぁ!」「めっちゃええ天気ですねえ!!!」 なぜこんなに「!」が多いかというと、耳がちょっと聴こえづらいから。

「私」の舞台・皆の「劇場」/のど自慢と某日帰りツアー📺愛燦燦

『NHKのど自慢』が好きだとは何度も書いて来た。 しかし、最近、もうひとつ、好きだなあと思うテレビ番組がある。 という話を書こうと思ったのは、 私的〝Lifework(として取り組みたい取り組んでいる)〟原稿(のうちのひとつ)に繋がる繋げるための、自分の思考整理を兼ねてもあります。 NHKのど自慢は不思議だ。不思議で、でも、当然だ、とも思う番組だ。 なぜこの時代に、あんなにレトロな番組が毎週放送されているのか。 出たい人が居るからだろうと思う。そして観たい人、応援したい

あなたと私のイッテンゴ/それがLIVE、それがLIFE

そのおっちゃんたちはメインイベントが始まるか始まらないかのタイミングで入ってきた。 新年最初のビッグイベント、泣く子も黙る東京ドーム。 ひとりはビールを持ってもうひとりに渡してる。 「どうぞどうぞ」「どうもどうも」って、〝おじさん〟同士のあの感じ。 2人はスーツ姿、なんとなくだけれど会社でも上の方の人?みたいな雰囲気。 もしかして「観に来たくて」じゃなく、ご招待とか、お付き合いとかかなあ。 だって全部で10試合以上、夕方16時から21時までの興行、の最後にだけ来た。 でもね、

ドリャーおじさんの話/皆にとっての断崖絶壁や力

「すべての人に東尋坊があるのだろう」 私の言葉じゃない。大好きなジャーナリストの言葉だ。 先日、関西が誇る(?)長寿バラエティ番組「探偵!ナイトスクープ」を観た。 これまでの「傑作選」と題して過去の神回を放送する回。 番組の代名詞のような3本が流された。 その中にあったのが「東尋坊のドリャーおじさん」だった。 御存じだろうか。 福井県の断崖絶壁、 自殺の名所なんていう呼ばれ方をしているそこから 「ドリャー!!」と叫んで飛び降り、よじ登り戻ってきて、また飛び込む! というの