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日々日々

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1日(なるべく?)1エッセイ。思うこと考えることを綴っています
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#劇場

うそとほんとと好きと嫌いとサイコロふたつ

その日芝居小屋で耳にしたピストル歌う『落陽』がよかった。 嫌いな役者が踊っていた。   竹原ピストルの歌は面倒臭い辛気臭い押し付けがましい嫌いじゃない。 でもこういうひとを神格化するまわりは嫌いだ。 気持ちはわからなくないがそういうのは気持ち悪い。   落陽。拓郎。ピストル。お腹いっぱいやな。 拓郎。岡本まさみ。古い。けど、時代など関係なしに中身は届く。   物事を意味だけで判断するのは愚行だと決めつける人たちが居る。 何故なんだろう。それもその人の捉え方だ考え方だ。 歌は歌

清濁併呑とか正しさとかその中でも「ぜったい」なこととか

清濁併呑という言葉を自分で使うことがあまり好きではない。 なんだかそれは言えない言い切れないことや言い切ってはいけないかもしれないことを自分の中で言いきれたような感がするというか、そんな気になりもするから。 でも、答えを一方的に「こう!」と決めつけ押し付けられることは、も、本当に好きではない。違和感を覚える。時にこわさも思う。 ほなどうやねんどないやねん。 だからやはり「一緒に考えていきましょう」なんじゃないかと常々思っている逃げや日和見ではなく。 これもなんかずるい

うつくしく、やさしく、おろかなり

朝、トレンドになぜか杉浦日向子の名前があがっていて、「わぁ」とか「ほぉ」とか「あ」、つぶやきたくなった。   江戸風俗評論家で、漫画家で、エッセイストで、 はやくに「隠居」をされ、はやくに亡くなられた大好きで憧れの文筆家。   以前関わった某演芸評論家が別の人に「この人は、杉浦日向子的ところがある人だから」って言って下さった時、ほんとにうれしかったことなどもあったが、おこがましすぎるすぎまくる。   江戸の漫画を描かれ、江戸の風俗を伝えておられた。 が、書かれる描かれることも

4年前の記事からの芝居小屋と私と書くことと

4年前に書いた自己紹介みたいな記事を読み返したら面白かったというか 「ああ、わたし(わし)やなあ」と笑って、 笑いながら拳を握ってなんだかアツくなったので載せます。 よければお付き合いいただけたら嬉しいです。 ここでは、旅芝居・大衆演劇という風に(切り口)書いているけれど、 旅芝居・大衆演劇はいつも言うが〝おおきなものいろんなものの縮図〟だと思っていて。   昨日の今日というか社会や人間を皆が考えたり考えたりまた考えたりする昨今。   個人的にもちょっといろいろばたばたと

俺の中の 岡部たかしと某旅芝居関係者の歌からおじさんたちの気持ちと人生を思う

最近大ブレイクのイケおじ役者岡部たかしが ラジオ番組で尾崎豊を「これが俺だ! みたいな」と語っていた。 『I LOVE YOU』を劇団オーディションで全身白スーツで真剣に歌った。 「真面目にやったんですけど、変な奴が来たと思われとったみたい」 「これも好き」という『卒業』。 「歌い出したら長いのでカラオケボックスで皆トイレ行くんですよ、熱くなってるときに」 あのとぼけた感じで真面目に言っていたから吹き出してしまった。   数日後に思い出したのは旅芝居界でヒール(悪)とされてい

体と表現と舞台と劇場、謎の忍者からの

「からだ」って、すごい。 「きもちとからだ」って、言葉では言い表せないくらい、おもしろくて、 劇場って、ほんま、すごいよなあ、ええよなあ。 と、改めて感じたというか考えた話を書きたい。  ニンジャ・マックをご存じか。 マクドのメニューではない。サムライマックではない。 レスラーだ。空中技、空中殺法のレスラー。なんか変なんだ。変な奴だ。   シルクドソレイユ出身らしい。 スタントマンとかもやって、格闘技を経て、プロレスへ。 誰が考えたか知らないキャッチフレーズ「カミカゼ」って

サンサーラとセロリ 皆が笑ってる劇場で

皆、皆が笑っている場や時、 その場やその時がほんまに愛しいな好きやなあ。 いつも思っているそのようなことを改めて更に思うようになった、思っていた、いる最近だ。   いつも。いつでも。   中でも、劇場で。   「奇跡のような場と時やなあ」   改めてそう感じる。   奇跡だなんて、 なんだかぼんやりしているわりに変に発光(?)している言葉はあまり使いたくないのにだ。   笑っている、 その奥には皆それぞれのしんどさや苦しみがあるんやろう。 いや、笑っているその瞬間ですら肚の中

ただいま、おかえり、いってらっしゃい Stay Salty vol.35がリリースされました

参加させていただいているWebマガジン、 新年初の号がリリースされました。 「これまでの活動や経緯や、現在の日々に思うことなど、 そしてこれからの想いを交えて、エッセイとして語っていただけたら」 とお声がけをいただき、自身のこれまでを振り返る徒然語りをした昨年10月の号。   メンバーとして書かせていただくようになった昨年12月の号。   そして今回、2024最新の号です。   あちら、こちら、ゆらゆらと泡泡と、でも今と、日々と。 年末年始のそんな事が頭に浮かびというか書き

それらはコインの裏表 何とかならない時代のシェイクスピアや近松

今朝「おすすめされていた作家さんの本を買いました」というメールをいただいて、なにかが繋がったような、不思議な気持ちになったのは、 ここ最近、このnoteを思い出していたからかもしれません。 ちょうと一年前に書いたものです。 振り返りネタが続いてしまっていますがサボっている訳ではない(笑) 赦しと復讐とコインの裏表のこと。 シェイクスピアとか近松とか己のことや、 いくつかの本と舞台の話とかと併せて、なんか憑かれたような気持ちで書きました。 ちょっと長いけど、ほんま、いろいろ

からだ 年明けのプロレスビッグマッチに人間を想う

身体。肉体。からだ。   1.2と1.4が終わった。 プロレスリングNOAHと新日本プロレスの年明けビッグマッチだ。 現地では観ていない。配信を観た。 前者は身内というか親戚の寄り合いというかごちゃごちゃ的なものから逃げれないのに逃げ切って観て、後者は仕事をしながら観た。 どちらにも特にめっちゃ好きな選手がいるかと言われたらそうではない。 どちらにも団体や会社へ思うところがありまくるというか、でも、観る。ツッコんだり怒ったりしながら観る。   例によって詳しいことは書かない、

【Stay Salty vol.34からコラムDAYSに参加します】月と靴下

日曜日いかがお過ごしですか。 ちょっとだけちょっとしたお知らせです。 隔月で日々を綴らせていただくこととなりました。 湘南のデザインオフィスALOHADESIGNさんが運営する、グラフィックWebマガジン「STAY SALTY」です。 10月に前号の巻頭「PEOPLE」に自己紹介のようなエッセイを書かせていただいたことはお知らせした通りなのですが、 あ、うん、noteやXのトップ記事としても置かせていただいているやつのことね。 そんな前号に続き、 この度、隔月コラム「D

十三夜とハロウィンと劇場と

劇場が好きで、舞台が好きで、 なんで? なにが? ってなると ありすぎて考えすぎて言葉にはやはりならない。  舞台に表現され描かれる「内容(作品)」に観入りながら、 観ながら、観終わってから、いつも、思う。 この時間や空間って、奇跡みたいやな。すごいことやなあ、尊いなあって。   そんな体感からの気持ちや、 作品への気持ちは、 好きだから好きなほど言葉にならないし、 きれいな言葉にすればするほどなんかなんだか、 (自分の場合は)嘘くさくすらなりそうで、 好きなことやものほどS

【Stay Salty巻頭PEOPLEを書きました】 劇場へようこそ

素敵なウェブマガジンに寄稿させていただきました。 ALOHADESIGNさんによる『Stay Salty』vol.33の巻頭PEOPLE です。 クリックしていただくと、 トップページの次にミラーボールの写真、ココです。 寄稿エッセイのタイトル&わたしの名前が出ますので よければ「VIEW PEOPLE」のボタンをクリックして下さい。 「これまでの活動や経緯や、現在の日々に思うことなど、そしてこれからの想いを交えて、エッセイとして語っていただけたら」 「さまざまな活動を

青い糸

「人生にはいろいろある。でもなんとかなるし、生きていたら、いつか許すこともできる」 「それでも、その生活のあり方の延長線上に、私たちが周りの人にどんなに心を砕いてもどうにもならない地平が、政治によって権力によって現れてしまうのだ、ということを書きたいと思いました」   Yahoo!ニュース本屋大賞2021ノンフィクション本大賞の受賞作、 『海をあげる』の著者・上間陽子さんによる記念スピーチからの抜粋です。   昨日、この本の担当者である筑摩書房の編集者がTwitterにページ