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ピントくん-New Yorkの子犬訓練学校へ行くの巻

ピントくんは生後14週目でウチにやって来ました。と言っても、もちろん一人で飛行機に乗って空港でピックアップした訳ではなく、私がカンザスまで飛行機で迎えに行き、空港でブリーダーさんの腕から譲り受けて、2人で帰って来ました。

犬は幼犬の時にできれば訓練学校に連れて行ったほうがいいというアドバイスを色んな方から頂いたので、迷うことなく16周目からパピースクールに通えるように事前登録しておきました。二人で頑張って早期教育を受けて賢い犬を目指すんだ、なんて意気込んで参加した初日の写真です。

15匹の子犬が揃い訓練が始まりました。一番賢そうなのがベルギーの警察犬。見るからに知的な黒っぽい長いお顔。子犬には見えない落ち着きと風格の女の子がピントの隣に座りましたが、あまりの大きさに間違って踏み潰されないか不安になってきました。他の犬種もチワワに比したら怪獣くらい大きくて、プレイタイムはピントも流石に身の危険を感じたのか私の側から離れず、結局先生がピントと遊べそうなサイズの犬だけフロアに残して後の犬は抱っこして下さいという指示を出す羽目に。入学時にサイズのことを確認していたので、迷惑をかけて恐縮でしたが、他の犬のオーナーピントが教室を歩くとカワイイ〜と言ってくださり、初日は無事に終わりました。

宿題はお座りの完全マスターだったのですが、ピントくんは食が細くてご飯をしっかり食べるのにも苦労している状況で、おまけにどんなおやつにも反応せず、毎晩おやつを手に特訓したのに私だけが前のめりで、結局マスターできずに2回目のクラスに参加したら、ピント以外全員お座りができるようになっていたのです。1人づつテストしていき、ピントの番になった時にできないと分かっていたのに、ピントおすわーり、おすわりっ、おすわりしなさい!と演技する羽目に。。。先生が試したのですが先生でも、一番高い干し肉のおやつにも反応せず、ただ私を見つめるばかり。落ちこぼれが決定した瞬間でした。

お座りができないんだから、次のコマンドの握手も、待ても、ふせも来いも全て見事に着実に一歩一歩フェイルして行って、それでも社会性を養うために参加だけはしようと遅刻せずに毎回パピータイムの追加料金まで払って参加だけはしましたが、覚えたスキルゼロ。何一つ学ばない、毎日朝から晩まで飛び跳ねて楽しく過ごして、でも練習時間になって私がおやつを持ってくるとソファの下に隠れるようになったので、早々に自宅での訓練は諦めました。ピンくん、ごめんね、コマンドは無理だったね、でも元気でいるだけでいいよ、と慰めつつ迎えた卒園式の日。

その日は1人づつ来いのコマンドで入場することになっていたんですが、先生もこいつらにはどうせできんだろう、と無言のジャッジをされ、最後尾で入場することに。案の定、来いといっても入り口で固まったまま一歩も進めないところをほかの飼い主さんたちに失笑されて、結局は先生にピックアップされて入場しました。

それから習った技を全員が一つ一つ披露し、14匹が見事にクリアしていくなかでピンくんはひとつも出来ず、私のコマンドだけが教室に響き渡る散々な結果に。全員が引き続き私たちの姿に失笑しつつ、卒園式のフィナーレの待てのコマンドを全員で披露することになりました。一番長く待てた子が犬の躾に関する本を賞品として獲得できるというそのフィナーレ。では待てーという掛け声で、子犬の鼻先におやつを垂らしての15匹のチャレンジでした。

もちろん、子犬が鼻先のおやつにいつまでも耐えられる訳なく、1匹、また1匹脱落していき、見渡すと最後の2匹の勝負に。なんとベルギーの警察犬とピントくんの2匹が一位をかけて待てのコマンドを実行しているではないですか! 

教室がざわつきました「ピントだ、あのピントが1位になろうとしている。。。まさか」そこで一位になれていたら素晴らしく面白い結末だったのですが、あまりの状況の面白さに私がついプッと吹き出してしまって、それにつられて嬉しくなったピントが私に飛びついてしまったのです。そして惜しくも優勝を逃しました。

しかしながら、我が家の愛犬ピントがNewYorkのパピースクールを2位で卒業したのが自慢です。



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