未だに蔓延するRMTの現実

 ゲーム内の通貨やアイテムを現金で売買する取引について、一般的にRMTと呼ばれています。(リアル・マネー・トレード:Real Money Trade)
 オンラインゲームの全盛期と言われた2010年前後では、新聞でも定期的に問題として取り上げられていました。
(ゲーム内の通貨を現金で売買するという倫理観、そもそも殆どのサービスでは、専らRMTが規約で禁止されている。不正にゲームの通貨を増やすチート行為も勃発しており、RMTの容認は、そうした不正に対する助長だと叫ばれた)


 それから暫く経つと、やがてメディアもRMTの話題を扱わなくなったものの、いまでも仲介業者は至る所に存在しており、そこでは今日も活発に何億円という規模のリアルマネーが飛び交っています。

 社会人タイプ……手っ取り早く仮想通貨(ゲーム内のお金)を稼ぎたい
 大学生タイプ……お金は無いけど時間(ゲーム内のお金)はある
 以前は、このような括りが存在しており、明確な需要と供給が窺えます。


 まだRMTが問題視されていなかった頃に、私もアカウントという財産を高く売り捌いた経験があります。ゲーム内の通貨やアイテムに価値があるのですから、アカウントそのものに値が付くのも当然です。
 私が非常にドハマりしたゲームであり、プレイ時間は数千時間に及んでいたと思います。プレイ時間の長いアカウントは、基本的に高い価値を有しています。


通貨・アイテム・ランク等の諸々を付随した結果……そのアカウントは十万円で売れました。
 ゲームの引退に際して、なんとなくオークションに掛けただけなのですが……これなら確かにRMTの蔓延、延いては倫理的に問題視されるのも当然でしょう。この時期から、各ゲーム会社の規約が厳しくなった印象です。
 現在は、殆どのゲーム会社でRMTが禁止されています。大手オークションも、RMTの取り締まりに協力的となり、かつて大量に出品されていたコンテンツも、最近では、あまり見かけなくなっています。


 しかし、RMTの仲介業者は相変わらず野放しの現状であり、いまでも検索を掛けただけで大量の仲介サイトがヒットします。それぞれのコンテンツに高価な値が付いてしまうのなら、蔓延も仕方ないでしょう。RMTの問題から十五年が経過するも、未だに根本的な解決は有りません。


 需要は随所に潜んでいるものです。
 手っ取り早くレベルを上げたい。強さを誇示したい。アフィリエイトブログの執筆を目的に、やり込んだアカウントを買い取ってるユーザーも居るようです。
 需要が尽きない限り、RMTの問題は延々に続くと思われます。

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