モモチカケル

横浜/神奈川を主な舞台にした【男子高校生×落語×ビーチサッカー時々プロレスとオカルトな…

モモチカケル

横浜/神奈川を主な舞台にした【男子高校生×落語×ビーチサッカー時々プロレスとオカルトなマンガ原作「落研ファイブっ」】を執筆中(2023年12月より同作品をカクヨムでも掲載)。いいね・フォロー・リンク・紹介大歓迎です。

マガジン

  • 落研ファイブっ(連載中)

    ※本作はカクヨムでも連載しておりますが、note版とは途中から設定/構成が大きく変わっています。また、カクヨム版ではカットした設定等がnote版では生きている箇所があります。 (以下あらすじ等) 横浜市某所の私立男子校『|一並《ひとなみ》高校』の落語研究会が乗っ取られて『草サッカー同好会』化。とある筋の陰謀によりプロレス同好会と元U15日本代表候補を加えてビーチサッカー大会に出る羽目に。漫画原作を念頭に執筆しておりますので通常の小説とは若干構成・表現等が異なります。

  • あの子のこと(完結済)

    【もう一度、人を信じて良いですか】 若葉ゆい。三十三歳。独身一人暮らし――。 ファミレスとスポーツクラブのダブルワークで生計を立てる彼女は、とある事情で生きづらさを抱え続けている。 そんな彼女の前に現れた十九歳の大学一年生、鈴木拓人。 生真面目なゆいとは対照的におだやかで伸びやかな彼との出会いで、長い間凍り付いていたゆいの心は再び動き出す――。 ※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。また無断転載、AIによる学習等は固くお断りいたします。

  • 音楽ちゃんぷるウザ語り!

    気に入ったCDやライブ等の感想を独断と偏見でうざく語ってます。クラシックからHMHR、テクノにアイドルまで超雑食で思いついたらメモ代わり。

  • 孤島のキルケ(完結済)

    【男を獣にする呪われた美女キルケと六十人目の『生贄』】  呪いにより過去の記憶を失い、孤島に一人寂しく暮らす妖女キルケ。島に漂着して一目惚れされた「私」は、男を獣に変える化け物と恐れられるキルケの元に現れた六十人目の男であった。  「私」は元人間である犬・ヤマネコ・イルカ達の協力を得て、『ハイブリッド型パイケーエス式潜水艦』を完成させ島を脱出しようと目論むも――。   (カクヨム/小説家になろう/アルファポリスにも掲載中作品/全五十五話) ※題名を「六十人目 妖女と男と獣たち」から「孤島のキルケ」に改題いたしました(2022/10/30)

最近の記事

『落研ファイブっ』第二ピリオド(16-2)「急所」

〔多〕「井原姉妹を両方下げて、フィクソ(DF)をワントップのタワーに変えるとはな」  餌をフィクソ(DF)に入れ、今井を長門と交代させた『落研ファイブっ』を見て、『かしわ台コケッコー』もメンバー交代をしてきた。 〔長〕「あれ、交代した女の子ってかなりのアスリート系。これは誤算」  三元が七月にウザがらみした跡出悠が、左アラに収まる。下野の女版のごときプレースタイルに、ベンチに下がった長門が目を丸くした。 〔多〕「参ったな。政木と服部はフェミニストが裏目に出て使い物にならん

    • 『落研ファイブっ』第二ピリオド(16)「井原姉妹」

       【試合会場 午前九時十分】  『かしわ台コケッコー』には危なげない試合運びの『落研ファイブっ』であったが、松尾の危惧通り『非常にマズイ』事態が進行していた。  時は第二ピリオド、キックオフから約二十分が過ぎた頃である。 〔うい〕「れんちゃん! 何とかもう一点頑張るらっ」  本郷大学に在籍する井原うい・れんの双子姉妹は、第二ピリオドからピヴォ(FW)二枚体制で『落研ファイブっ』のゴレイロ(GK)天河とフィクソ(DF)仏像とやり合っている。  怪我をさせないよう、コースを

      • 『落研ファイブっ』第二ピリオド(15-2)「言えない事」

        【音楽コンクール――通称生き地獄――ファイナル/午前八時四十分】 〔色〕「松田松尾君。長津田君は一体何者だい。話が弾んで結局直接お父さん同伴で会っちゃったよ」  当日リハーサルを終えた松尾の元に、元日吉大学文学部美学科の名物教授で音楽評論家の色川がやってきた。 〔松〕「実は僕もほぼ面識が無いのです。落語家の小柳屋御米師匠から、色川先生に彼を紹介するように言われまして」  松尾は詳しいいきさつは敢えて話さず、手短に告げる。 〔色〕「そうそう。君はサッカー部に入っているそう

        • 『落研ファイブっ』第二ピリオド(15)「頼む、もう黙れ」

          【第一試合前 午前八時三十分】 〔仏父〕『五郎君ファイトだおーっ』   日吉大を拠点に活動するインカレサークル『かしわ台コケッコー』との対戦を前に、仏像の父は早くもトップギアに入っている。 〔ピーマン研〕『頑張るおーっ。えいえいおーっ。でもかしわ台コケッコーも日吉大のサークルだお。ちょっとだけ応援するお』  『日吉大学ピーマン研究会』のOBだけに、日吉大学と聞くとどうしても肩入れしたくなるらしい。 〔仏父〕『それはダメだお。今日は五郎君を応援するんだお』  ハイテンショ

        『落研ファイブっ』第二ピリオド(16-2)「急所」

        マガジン

        • 落研ファイブっ(連載中)
          160本
        • あの子のこと(完結済)
          59本
        • 音楽ちゃんぷるウザ語り!
          3本
        • 孤島のキルケ(完結済)
          24本

        記事

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(14)「本番」

          〔樫〕「おはようございます『草サッカー同好会』の皆様」  会場についた仏像とシャモを出迎えたのは意外な顔であった。 〔シ〕「何だよその改造特攻服。昭和のヤンキーか」  集合場所でぶらぶらする多良橋の隣で、盛夏用応援服(袖なし白特攻服)を着用した応援部長の樫村が三十度の礼をした。  いつも樫村と共にいる二人の応援部員は、影のように付き従っている。 〔仏〕「あれ、どうしたの。奥座敷はこの試合にエントリーしていないだろ」 〔樫〕「本日は皆様にご恩返しをすべく参りました。誠心誠意エ

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(14)「本番」

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(13)「父(自称ラノベ作家)のしこしこ化が止まらない件」

           ついに試合当日。 〔仏〕「じゃ、行ってくる。本当に試合を見に来るの」  スポーツバッグをよいせと肩に掛けた仏像は、うさぎエプロン姿でしゃもじを片手に持った父を振り返る。 〔父〕「もちろんだお!(^^)! 五郎君の晴れ舞台だし、たーちゃん先生から誘われたし」 〔仏〕「『たーちゃん@二十五歳丸の内OL』アカウントはネカマ用の裏垢だから、その名前で今日は呼ばないように」 〔父〕「大丈夫だお。それに今日はわっちの小説をみんなに宣伝するんだお。絶対読者さんと星を増やすお」  父親

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(13)「父(自称ラノベ作家)のしこしこ化が止まらない件」

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(12)「大人の階段上る君は(下)」

           日本で一番ハードなコンクール――通称・生き地獄――本番前日のゲネプロ(通しリハーサル)を終えて帰宅した松尾に、落語研究会のグループSNSが入った。 「全く話が見えない。小柳屋御米師匠が僕に連絡を取りたいだと」  松尾が三元に返信をすると、すぐに松尾のスマホが音を立てる。 『どうも松田さん。本番前のお忙しい所に済みません』  小柳屋御米は、開口一番松尾に謝ってきた。 「いえ。どうされました」 『お宅の新入部員さんの件ですがね。津島のお坊ちゃんは菊毬師匠の預かりで一件落着と

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(12)「大人の階段上る君は(下)」

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(11)「大人の階段上る君は(上)」

           ところ変わって味の芝浜(三元宅)。 〔う〕「ありゃ、明日は臨時閉店かい。へえ明日が若様のサッカーの試合本番だって。そりゃ今日来ておいて良かった。ところで若様はおいでかい」  松脂庵うち身師匠の後ろに雁首揃える落語界の大看板を見て、みつるは恐る恐る三元を二階から連れてきた。 〔菊〕「ああ、この子が例の。ありゃ本当に縁起の良い福相だこと」  画面越しにしか見たことのない人間国宝の姿に、三元はしどろもどろになりながら平伏した。  右隣に三元の大好きな水戸のご老公の腹心のご

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(11)「大人の階段上る君は(上)」

          遅ればせながら「カクヨムコン9」の結果報告と今後の方針について。

          こんにちは。いつもモモチの作品に目を通していただきまして誠にありがとうございます。 さて、遅くなってしまいましたが、「カクヨム」上で開催されておりました「カクヨムコン9」の最終結果が発表となりました。 モモチはカクヨム版『落研ファイブつー何で俺らがサッカーを?!」https://kakuyomu.jp/works/16817330659394138107/episodes/16817330659394756389でエンタメ総合部門の中間選考を突破しておりましたが、最終的には無

          遅ればせながら「カクヨムコン9」の結果報告と今後の方針について。

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(10-2)「しこしこさんとオタ活夫婦」

          「それにしたって何でこんなものを。恥ずかしくはないのか」  『ざるうどんしこしこ@日吉大経済卒』こと仏像の父の手になる怪文書をのぞき込んだ母親に、シャモは激しく頭を横に振る。 〔シ〕「俺が開いた訳じゃねえ。たまたま表示されっぱなしになってたのよ。それに母ちゃんにしたって、父ちゃんに『キリ番リクエスト』をしたのが腐れ縁の始まりでしょ」    『キリ番』なる単語を知らない世代のシャモは、両親のなれそめのせいで『キリ番』や『隠しページ』に『MIDI』などの無駄知識が豊富である。

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(10-2)「しこしこさんとオタ活夫婦」

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(10)「無職輪廻――外資系スーパーエリート(以下略)」

           試合本番まで後一日。 〔父〕「五郎君お帰り。明日は五郎君の大切な試合でしょ。試合と言ったらトンカツ。敵に勝つってね」  帰宅した仏像を迎え入れたのは、レシピサイトを参考にしながらトンカツを準備している父の姿である。  朝四時のフレンチトーストはさすがに控えるようになったものの、基本的にスーパーハイテンションなピーマン研究会モードのままだ。 〔仏〕「あのなあ父さん。試合の前は食事制限があるの」  外資系金融機関のCIO(最高投資責任者)から自宅警備員に転職した父がせっせ

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(10)「無職輪廻――外資系スーパーエリート(以下略)」

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(9‐3)「暴走する男」 

          〈三日後 早朝練習時〉 〔三〕「やってられねえよ」  朝早くから電車を乗り継いで室内練習場にやって来た三元に、多良橋は目を丸くした。 〔多〕「三元が朝っぱらからこっち側に来るなんて、大会当日は雪でも降るんじゃないのか」 〔下〕「いっそ試合前だけ雪が降ってほしいっす。まだ朝七時だって言うのにもうこの暑さですよ」 〔シ〕「例のプールで浮かびたい」  下野のボヤキに、シャモが一部の好事家に有名なプールを思い浮かべながら応じる。 〔餌〕「もうお腹いっぱい。新入部員募集のポスタ

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(9‐3)「暴走する男」 

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(9‐2)「笑いとは男子一生の事業なり」 

          〔シ〕「俺の恋人?! こっちが知りてえ」 〔仏〕「しほりちゃんにキスマークだらけにされたんだろ」  シャモの恋人疑惑に、野球部の今井と陸上部の里見が色めき立つ。 〔シ〕「待て待て、あの死にかけ牛筋バアサンの事か」  竜田川千早改め藤崎しほり(新芸名)の事だと気づいたシャモは、彼女疑惑を全身全霊で否定した。 〔餌〕「残念ながら『シャモさんの彼女』は今回は出演しないですね」  だからあれだけは絶対勘弁してくれとシャモがネギ坊主頭をかきむしる。 〔餌〕「真面目に答えると。主任

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(9‐2)「笑いとは男子一生の事業なり」 

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(9)「こじらせた男」

          〔う〕「やあやあ良く来たね。若様、そちらさん方が夏の新入りさんだね」  津島と長津田。  仮新入部員二人をにぎわい座に引率した三元は、松脂庵うち身師匠の元を訪れた。 〔三〕「そうだよ。特にこちらの津島修二君は、俺には教えられないような難しい噺も一発で覚えてきやがる。大した才能だよ」  哲学談義を餌に吹っ掛けた津島修二は秀才として名高い人物だ。  ただし、余りに生真面目すぎて危なっかしいとは、津島を知る教師生徒の共通した見解である。  松葉づえとさよならしたばかりの津島は

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(9)「こじらせた男」

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(8-2)「競技かるた部から来ました」

          〔坂〕「三十分だけなら音楽準備室を使って良いよ」  坂崎の手によって教室から締め出された松尾に飛島と新入部員候補二名は、怪我をおもんばかった坂崎によって音楽準備室に通された。  早速の部員候補の報に、三元とシャモも音楽準備室に駆け付ける。 〔三〕「仏像は」 〔餌〕「服部君側にいる」  ビーチサッカーの練習見学に早速やってきた三人プラスアルファの対応に、服部と二人で追われているらしい。 〔津〕「私は落語には明るくはありませんが、古今和歌集、万葉集に」 〔三〕「だったら『道灌

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(8-2)「競技かるた部から来ました」

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(8)「畳の上の格闘技」

           登校日。それは夏休み中に避けては通れぬうっとうしいイベントである。  だるい暑いと言い交わす生徒達を横目に、服部と餌は新入部員募集ポスターを手に多良橋の元へ出向いた。 〔多〕「本当に貼るのか。人が集まりすぎてもさばけないぞ」 〔服〕「そこまで集まらないと思うし、練習と試合見学から入部に至るまでにかなり人数は減ると思います」 〔多〕「で、伴も演芸部門を募集するの。誰が面倒を見る」 〔餌〕「しばらくは三元さんがにぎわい座で。もちろん二学期からは僕も見ますから」  知らんぞ本

          『落研ファイブっ』第二ピリオド(8)「畳の上の格闘技」