読書感想文『傲慢と善良』 辻村深月箸
あらすじ
婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。ー彼女はなぜ姿を消したのか。浮かび上がる現代社会の生きづらさの根源。圧倒的な支持を集めた恋愛ミステリの傑作が、ついに文庫化。
感想文というよりは、今回も批評になっちゃうかな。
そういう私が一番『傲慢』なんだろうけど、それ込みでとりあえず書いていきます。
まず、のっけから申し訳ないけど
期待ハズレだった。
私てきにこの小説のキーワードは
婚活、結婚、毒親、風土、劣等感と嫉妬、そして『善良』
だと思う。
小説の中でやたら傲慢という言葉が出てくるけど
私てきには、『傲慢』ではなく、ただその時の『感情』にすぎないんじゃない?って思った。
これ、全編493ページとけっこう分厚いんだけど、一気読みした。
けど、面白いかと聞かれれば、
面白くはない!
この小説は
西澤架と坂庭真実が主人公で、2人、それぞれの視点で描かれている。
ぶっちゃけ、私は、この2人ともに
全く共感できない!
むしろサブキャラの美奈子と梓の方が、まぁ、やったことには共感できないというか、それはやっちゃダメっしょ!って思うけど、気持ちはわかる。
本編では、架が「これは俺と真実の問題だから」的なことを言ってる部分があるんだけど、私から見たら
はぁ?おまえ、何言ってんの?
っつうか、やってること10代の恋愛やん。
だから、美奈子と梓はイラついて、真実にあんなことやってしまったわけやん?
って、なぜかサブキャラ側の目線で読んじゃいましたね。
それでも、もちろん、
美奈子と梓がやったことはアウトではあるけどね。私てきに。
だから、
そうはならないでくれよぉ。と願いながら読み進めたけど
結果は
やっぱりかぁ。
という、私てきに残念なエンディングとなった。
今回、辻村深月さんの作品を初めて読んだんだけど
島本理生さんに似たものを感じましたね。
主人公に甘い!
途中、途中は、けっこうエグいというか残酷なシーンもあるにはあって、盛り上がる部分もあるんだけど、どうしても残酷になりきれない。
いわゆる
パンチがない!
だからゆるい感じで終わる。
そこが本当に残念。
石母田(いしもだ)のおばあちゃんの、大恋愛な。のセリフにも私はひいた。
そういう、きれいごとがところどころにあって、
『傲慢』と『善良』のいびつさっていうのかな?
どっちか、ハッキリしろよ!
って私は思うタイプで、中途半端に主人公を落としておいて、最後はきれいに終わろうとするのが、私はめちゃくちゃ不満。
なんて言うんだろ?
そう。
切なさがない!
まぁ、もう、最後のほうは
はいはい。っていう惰足で読んでる感じでしたね。
おすすめか?と聞かれれば
そうですねぇ
毒親持ってる、婚活中の女性にはおすすめかな?
おまえにこの本の何もわかってない!という意見多数だと思いますが
これもひとつの感想と思ってご了承ください。
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