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『自転しながら公転する』

『自転しながら公転する』読了。
めちゃくちゃよかった〜〜!!!!!

映画を1本観終わったような満足感。
とてもいい物語を見せてもらった〜!という気分です。


1ミリも話の内容を知らずに読みたい!って方は内容に触れてるので読まないほうがいいです!






アラサー女子が抱える、仕事、恋愛、家族の悩み。人生における悩みがぎゅっと詰まっていて、それがすごく身近な視点で描かれている。
私が同年代ということもあって重なる部分があり過ぎてこれは私の心の中か???と思う場面、多々あり。
この年代の悩みといえば『傲慢と善良』も面白くてびっくりしたけど、私はこちらのほうが共感する部分が多いように感じた。

とにかく感情の表現がうまい。あー確かにこうされたらこう思うよね〜っていうの、なかなか言語化が難しい感情を上手く表現してるの。ほんと凄いわ。
あとね、途中で主人公の視点からある人物の視点に切り替わるんだけど、それもすごくいい要素で物語により深みが出てくると思った。

あとは主人公の都と貫一の距離の縮まってくところが好き。だけど、貫一との出会いを都が友人たちに話すシーンで、みんなに笑われてしまうんだよね。わーこういうのってあるある、と思った。当事者しか分からない良い温度感、距離の縮まり方って他者に話すと途端にチープに感じられる。そして結局は相手の容姿や職業で値踏みされて好き勝手言われちゃうんだよね。でもこれって友人が悪いとかじゃなくしょうがないよなぁと、読者だからこそ(?)俯瞰してみれた。
何が言いたいかっていうと、貫一がとても魅力的な人物なんです!!好き!!!貫一の良さは会わないと伝わらない。彼の背景を聞いたら恋愛市場ましては結婚市場においては絶対にナシなんだろうけど、そんなのどうだってよくなるくらい素敵なんだよね〜。もし私が貫一と出会っていたらどうなるだろうか、とか考えちゃう。

他にも魅力的な人物がたくさん出てきて、台詞がこれまたいいのですよ。
私は優柔不断なところとか八方美人なところとか都と似てる部分が多くて、都が学生時代の友人や職場に言われている台詞が私にまあ刺さる、刺さる。
あまり本に付箋貼ったりしないタイプですが、いっぱい貼りました。


結構分厚くて読めるかなと心配していたけど、中だるみなくずっと楽しく読めた。
小説って没頭できてすごくいい!
平日は30分早めに出勤して読書しているんだけど、実用書やノンフィクションだと人が出勤してきたタイミングで気が散っちゃうんだよね。だけど小説は気づいたら没頭していてあっという間に時間が経っている。短い時間だけどかなりリフレッシュできて、この朝の時間がとても好き。

いい本に出会えると人生って素晴らしい!!って思えるな(単純)。
まだまだ読むぞー!


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