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ラジオをチューニングするように

11月が始まった。染めじゃないことも書いてみる。
10月に出来ることをやり切って、草木染めやこれからのことで息つく暇もなかったので、久しぶりに無目的にゆっくりする週末。
寒くもなく爽やかな空気に、いてもたってもいられずお散歩に出かける。
湯島のあたりから神田明神のお膝元をテクテクと、神保町の本屋に向かって歩く。
無目的なつもりが、ついつい道端の草花や樹木を見ると、これは染めたらどんな色になるのだろうか・・・と考えてしまっている。笑
その辺の植物でも毒性があったりするので、目の前の植物を調べるアプリが大活躍だ。天然染めの先生は、季節によって変化していく自分の周囲の草木をよく観察しなさいと言っていた。
染めを始める前はただの木、ただの草、だったが、いまはみんなが生き物で、個性や特徴があるのだと思い、まじまじと観るようになった。
そんなことをしながら、いつもは通らない小道を歩くと、空気がとても気持ちが良く感じる場所や、素敵な小さいお店を見つけて、すごく新鮮な気持ちを覚えてワクワクした。

お散歩は小さなjourneyで、セレンディピティな種がたくさん散らばっている。
ラジオのチューニングに似た感覚。例えがアナログかもしれないけど。
偶然欲していた何かを拾ったり空間や誰かを見つけられるのは、おたがいの周波数がピタっと合ったときなはず。
このお散歩とは別で、最近ずっとこんなことが続いている。
草木染めについて独りでずっとこもりながら2ヶ月近く調べてきて、
国内の情報があまりにもなくて凹んだりもしたが、
毎日毎日できるかぎりの糸を引いてみているうちに、
10月が間も無く終わるというタイミングあたりから、バーっと欲しい情報が集まるようになった。自分の目に留まることもあれば、教えてくれる人がいたり。
国内でやっと見つけられた、自分の好きなスタイルの染め作家さんたちが、近いうちに東京で展示会があることが立て続けにわかったり、
ふと出かけたイベントで直接的な答えはないものの、舵きりの方向性が大まかには合っていると感じさせてくれる出会いがあったりした。

今日もなんとなく表参道のあのお店のサラダボウル食べたいな〜と思い立って電車に乗っている途中に、私の好みど真ん中な染め方法で作られた服の展示会が代々木上原で開催中だと知り行ってみたら、最&高だった。

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代々木上原のhako gallaryで私が今模索している花染めをした服があると知って伺ってみたら、テキスタイル作家さんがデザインした服に、先日展示を見に行ったfunatabiさんが染めたのだという。
服のデザインも染めも好みにピッッタリすぎて嬉しかった・・・・・・・・・・・
作家さんから染めについて色々と教えていただいて、
私もこんな染めができるように頑張る!という勇気を貰いました。
ちなみにこの服はログウット染めの鉄媒染だそう。

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からの、渋谷TRUNK HOTELへ、廃棄花を使って染められた布の展示を見に。

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そういった出会いの中で、その分野に詳しいであろう方々と話すことで、やっぱり私のやりたい染め方はとても国内では珍しくて知っている人が本当に居らず、技術習得は簡単ではないとわかって愕然としたりもするのだが、
情報源もだいぶ絞れてきたので、根気よく調べていけばきっと大丈夫だと思う。
とりあえず今日試着させてもらった花染めのパンツドレスがあまりにも素敵すぎて夢が膨らんだ。
セレンディピティにあふれた毎日はとてもしあわせだ。

逆のこともきっとあって、ん??て思うことも大事にしたほうがいい。
ラジオでいうところの、なかなか周波数が合わなくてザーザー音が流れている感じ。お気に入りの局にうまく繋がれなくて諦めて、似た感じの局を選んでみても、
なんか違う。
話してる内容も、流す音楽も、なんか好みじゃない。テーマは割とすきなはずなんだけどな。

そういう感覚を覚えるところには長居しないほうがいい。
しあわせは自分の持つものを世の中に還元できるときに生まれると最近実感している。それができない仕事だったり環境にいるときって、毎日が雑音だらけで、周波数を合わせる努力をする体力もなくなってしまう。
その逆の行動をすれば、必要な情報や人にコネクトできたり、何も起こらなくともシンプルに毎日がしあわせだと感じられるようになるんだと思うようになった。

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ところで先週末「もったいないキッチン」を見てきた。
染めを始めたことで日々の物に対する感覚が変わったことをちょうど前回のnoteにまとめ終わって一息ついたときに、ちょうど翌日に鑑賞会のイベントが開催されることを知って、以前から知っている映画だが、いま、観に行った方がいいなと感じてすぐにチケットを購入した。

私は「意識普通系」だと思っているんだけど、そんな私でも小さな行動から始められると感じさせてくれる映画だった。
日常のちいさなWHY?って感じる無駄に向き合ってみるのが大事。
あとは良い選択を大義とせずに、単純に面白いとか可愛い、美味しいとか感覚的に惹かれるモノや体験などにすることもすごく大事なんだなあと改めて思った。
この映画ひとつにしても、映像のきれいさや、出演者のおしゃれさとか、ストーリーの面白さが、もっと観たいと思わせてくれる第一前提で大きな要素だった

前職でレストランの食のEC販売やテイクアウト販売による中食化に携わったときに、細菌と人の健康安全(つまりは賞味期限検査)の壁にぶちあたりまくったので、いかにロスになりそうな食品を公的に活用するのが難しいかは肌でひしひしと感じて、映画の中でも語られていた、「それを食べるか否かは、消費者の責任に任せる」必要がある。
人間には五感があるので、見て、ニオイを嗅いだり、味見すれば、食べていいものかどうかの判断はつくはずだけど、
食べ物って人の生死に関わるものでもあるので、安全は第一になって仕方はないことも理解している。訴訟とかもこわいし。
ただそうやって作られたものだけ食べてるのが結果的に安全じゃないというのも事実。
外は危険だからといって自分の子供をゲージの中に入れて育てるのか、
たとえ怪我しても、たくさんの素敵な物事にも出会える外へ送り出すか、みたいなことなのかも。
どちらを選択するかはそれぞれの人に任されている。

なんて真面目なことは後から噛みしめながら考えたんだけど、映画に出てくる熊本県小国町に行ってみたくなった。地熱を活用した蒸し料理が映画に出てきたけど、私がいま独学中のバンドルダイという染めテクニックはスチームを使うので、地熱でやってみたいなぁ〜と妄想した。


ちなみにこのイベントは博報堂の始めたUNIVERCITY OF CREATIVITY(略称UtoC)という研究機関でありプラットフォームという感じの場所で、サスティナビリティとガストロノミーフィールドの共催で開催されました。
https://uoc.world/about/fields/
このコミュニティにいらっしゃる方だったら、もしかしたら草木染めの情報を知っている方がいらっしゃるやも!とひらめき、上映後に映画を観にきていた素敵なエシカルショップの方や、映画に出演していてその日のイベント時にも「もったいない野菜」で美味しい料理を作ってくださったタカハシさん、フードガストロノミーフィールドのプログラムディレクターの木村さんなどとお話して、かなり参考になることを伺えて、本当に行ってみてよかったです。

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タカハシさんの美味しい「もったいない」野菜料理!

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とくにガストロノミーフィールドの木村さんはわざわざデスクに掛けて、しっかり染めた作品を見ながらお話しを聞いてくださってとても驚いたとともにありがたかったです。
本当は他のみなさんともお話してみたかったのですが、時間はあっという間でした・・・。
ちなみにUtoCでは7つの「UoC越領域ゼミ」というのが開講されるそうで、応募締め切りが11 /16昼だそうですよ。気になる内容が盛りだくさん!
https://uoc.world/seminar/2020/
空間も遊びに満ちていて魅力的でした。
個人的には木村さんの作成された食にまつわるハテナのピースを集めた「Q食」のボードがかなり面白かったです。

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てなわけで、周波数の合う場所にコネクトするって大事で、
そのためには自分のアンテナの精度を高める余白ーお散歩やメディテーションや旅といったjurneyがけっこう大事だよね、と思った話でした。

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