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畜産動物の『淘汰』を無くすには〜無意味な死 無意味な生〜

『無駄な死』を少しでも減らす為に

農水省は出荷されるまでに死亡した頭羽数も把握すべき

現在の日本において
皆が皆ヴィーガンになる事は現実的ではない
けれど肉食を肯定する人たちでも
『淘汰』という命の処理の仕方について
肯定的に見る人が果たしてどのくらい存在するだろうか 
知らないだけで、そのような現実を知れば
肉食に否定的になったり
少なくとも『淘汰』をやめるべきだと思う人が
大半ではないだろうか

なぜ淘汰が行われるかと言えば
例外はあるにしても
消費者の需要に合わせて経営上そうせざるを得ない畜産農家も
少なからず存在する筈だ
それは小規模農家であればあるほど
そうならざるを得ない薄利多売の現状がある筈だ
私は、畜産農家イコール悪とは思わない
悪いというなら
むしろ消費者の側の問題ではないのか

淘汰を禁止したり制限したりするには
制限しても畜産農家の生活が保障されなければ
実現は難しいだろう
打開策のひとつとして
山梨県をモデルとする畜産アニマルウェルフェアの取り組みを
全国に普及させる為に
国や自治体が支援をする必要がある

たとえ食用にされるとしても
生きている間の尊厳
死に至る瞬間までの尊厳が守られるよう
1頭1羽に対する福祉を充実させ
結果的に畜産動物の付加価値が高まることによって
価格も保証されるブランド化が進んでいくように思う

そして命を大切にしていれば
必然的に肉食をやめ、ヴィーガンになる人口も
自ずと増えるに違いない

農水省では
乳用牛、肉用牛、食用豚、採卵鶏、ブロイラーの飼養頭羽数
(ブロイラーは出荷羽数)を公表しているが
出荷されるまでに死亡した頭羽数については
いずれの畜種でも把握していない

これでは殺処分の実態など掴める筈がない
杜撰な管理と言われても仕方あるまい
農水省は
可能な限り把握に努めるべきではないだろうか
飼養頭羽数だけでなく
出生数、死亡数と死因の報告を義務づけるようにしてほしい

世の中から肉食が無くならない限り
屠殺は無くならないが
過剰繁殖を制限すれば
無駄に殺される『淘汰』は確実に減らせる筈だ
淘汰を減らす為の畜産アニマルウェルフェアの普及と
罰則を伴う法制化が必要と思う

次回、動物愛護管理法の改正が検討されるのは
2030年頃になると聞いている
動愛法は5年を目処に改正が検討されてきたが
前回2019年6月に改正された際に
(2020年6月施行)
犬猫の従業員一人当たりの上限飼育数の制限を
2022年6月から施行するとし
そこから3年計画で段階的に減数していく事になった為
全てが施行されるのは2024年6月からとなり
そこから数えて5年後が次回改正の検討となるので
2029年か2030年頃になってしまうという話だった

途方に暮れるような話だが
大事なのは、その時に
どれだけの改正を確実に成し得るかということだ
その機を逸してしまえば
次は更に5年以上先延ばしにされてしまう

畜産だけの話ではないが
そうなる前に現状の周知に努めるとともに
工場畜産から家族農業への移行を進め
せめて淘汰を制限するよう要望していきたいと思っている
もちろん、肉食自体が見直されるよう
様々な取り組みが必要なのは言うまでもない

皆さんは、どのようにお考えだろうか
たとえ肉食肯定者であっても
過剰繁殖、過剰淘汰は
今すぐにでも無くすべきではないだろうか

2023.05.13