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〈ネタバレあり〉最近観た映画の感想(11/25分)

【地獄の花園】

バカリさんの脚本ということで、どんなもんだろうなーと思ったのがきっかけ。

このビジュアルで硬派なわけはないけど、ゴリゴリのヤンキーだったらやだなぁ・・・と思いながら観てみて、全然杞憂だった。

バカリさんって、自分の作品絶対ちょい役で出るの好きよね~

雰囲気としては、OLのSF茶番劇です。
たぶんバカリさんって、女の人の心理戦とかそういう見せないところのメンタルバトルとか陰湿な小競り合いとか大好きなんじゃないかと思うんだけど、
珍しくわかりやすくいったなぁ~というかんじで
一応OLということになってる人たちが拳で権力を争う話です。

OLの派閥の感覚をわかりやすく表すのに、ヤンキーという形はぴったりだと思ったのかな?
制服を着てすました顔をしてるのがめいちゃんだけで、あとは皆わかりやすいヤンキーです。

漫画っぽくしたかったのか、キャラ付けもビジュアルからわかりやすい。
菜々緒はなんていうか、エジプト?
大島さんの存在感が思ったより強くて、口紅はみ出してるのとか、あえての崩しがバランス的にはちょうどよくて。
これだけの圧の人たちの中で、川栄さんも負けてなくてすごい。
アリスの顔が怖いしガタイが良くて、ヤンキーものってもしかしてハマり役?ってくらい。
めいちゃんがウサギさんみたいでかわいかった。
ウイカもがんばって啖呵きってました。
小池さんはまぁ・・・眉毛無いの似合ってたけど、出てきたときの衝撃は遠藤さんの方がデカかったかなぁ。

内容的にはとくに書くことないんですよ。
茶番劇に強いも弱いもストーリーもべつに意味がないから。
途中から出てくるおじさん達は雰囲気をイイ感じにマイルドにしてくれてたけど、それだけかな。
遠藤さんって、ギャラクシー街道でもこういうボンテージっぽいカッコさせられてなかった?

どれだけ権力を争おうが、女子の幸せを決めるのは拳なんかでもメンタルバトルなんかでもなく、恋愛!っていうオチがね。
わかるなぁ。
でも最後の画面いっぱいの「完敗」の2文字は、ちょっと冷めたかな。
なかったらなかったで、冷めた場面になりそうだったけど。

最終的に・・・そうだなぁ、大島さんってほっとするわ~。


【お終活】


皆さんそれぞれに、すごくいい演技でしたね~

ボーイズアンドメンの水野さんはほんとにピュアな印象だし、
高畑さんは量産型のおばはんだし、
剛力ちゃんは嫌味のないナチュラルな女子ってかんじで、
とりあえず橋爪さんのクソジジイ感がいっちゃんよかった(笑)

シンプルなストーリーと、映像で、じっくりゆっくりみせる、っていう印象を受けましたね。
小賢しいやりとりも痛々しいコメディもなく、自然と入っていって共感してしまう作品でした。

もうほんっと、橋爪さんがクソジジイで!胸糞でしたわ。
でも人の気持ちって、感情ってこういうかんじよなぁ~って思っちゃった。
前向きにメモリアルムービーを作ってもらうと言う高畑さんに、
「俺はまだぴんぴんしてる、葬儀屋の世話になるなんて御免だね!!」みたいな先入観の塊の親父。

「俺たちの思い出なんて平凡過ぎてなんの役にも立たない」
「俺の飯作ってからにしろ!!」
等々、クソみたいな名言を次々に残されていきますが、
やり返す高畑さんがまたおもろいこと。
人との交流や思い出が、本当に少しずつベトついた頑固おやじを解していく様相が、本当にリアルはそんなかんじよなぁ、と思って。

気づくきっかけとか、変わろうと思うきっかけとか、
なにか自分の感性や思考回路が詰まってる部分を打開してくれるきっかけって、やっぱり外からやってくるんですよね。

「愛って、許すことなんですね」
「愛は寛容なのよ」

そんな守りたくなるような純粋なやり取りが自然と流れている物語の雰囲気は、とても温かかったです。
最後に水野さんがお父さんを許そうと思って行動した場面は、
なんだかお父さんの気持ちも伝わって、ほろっときました。

生きてる間に、何度でも思い出に浸っていいんだなぁ、って。


【大米騒動】

最近いろいろなお米を食べるようになってお米に興味があったのでセレクト。

【お終活】の方にも石橋蓮司さんが出演されてたので既視感だったんですが、
こっちはこっちで今度はクソババアがいましてね~
左さん、すごくいいクソババアっぷりでしたわ~

夏木マリさん、室井滋さん、強いわ~!
訛りがむずかしくてけっこう何言ってんだかわからんのですが、
貧しい、ひもじい、女の身一つで何ができる?という状況、
あからさまな程に男尊女卑の劣勢の中、
護りたい命のために、ついに耐えることを辞めたおっかあ達の反逆を描いた作品です。

正直、途中途中で出てくる進行役っぽいおっさんがいて
なんか耳に障る歌を口ずさんでいたりして、
内容的には博物館っぽい雰囲気だし
これ・・・映画にする必要あったんか?とか思ったりしました。

構成的にはあんまり好きではない雰囲気だったんですが、
役者さんの演技が見たくて続行。
見てよかったです。
ラストの「ここで決める」と腹をくくった井上真央さんの雄叫びには胸が震えました。

指一本で全国のお米が手に入る現代・・・楽園じゃん。
夢のような状況が当たり前の時代に生まれられてよかった。

お米大事にしよ、と思えるような作品でした。


では、この辺で~




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