クイズとパズルと謎解きと

冬本番というのに、秋のような気圧にやられて出遅れました。

〇〇する芸能ちゃん (まる芸ちゃん) というYouTubeチャンネルで活動しているももです。

少し前、パズルクラスタ (と私が認識している) のにょろっぴぃさんのアドベント記事『パズル沼の住民が謎解き沼に入った話』が公開されまして、なるほどなるほど、と拝見しました。中に引用されているきよしさんの記事も併せて読みました。(Tumbleweedの『Y』で同卓したきよしさんですね。その節はお世話になりました)

趣味嗜好の話ですから、個々人のパーソナルな記憶との結びつきへの言及があり、どちらも読み応え抜群です。

実は執筆にあたって、こういうことを書こうと思う、というにょろっぴぃさんのツイートを目にしまして楽しみにしつつ自分なら何を書くだろう、と漠然と考えていたので、今回この記事を書くに至ったわけです (丁寧な前フリ)。

●クイズ、パズル、謎解きという語に関する考察

さて、タイトルにはあいうえお順に並べたら語感が良かった、という理由でこの順番で記載していますが、私がそれぞれ出会った順番とも、活動の比重の大小とも一致していません (が、推理パズルは始まりません)。

そもそも、この3つの区分について論じないことには始まらないような気もしますが、都合よく、まる芸ちゃんの過去動画に『もしもパズル作家が「パズル番組」を作るとしたら』というものがあり、そこで様々に議論されています。
私の考えとしては同動画の10:53あたりでマサルさんが言っている「全部クイズの範疇」がしっくりくるでしょうか。

少々乱暴ですが、提示されたQ (Question/Quiz) に対するA (Answer/Analysis) を導くという構図で括れると考えます。

●各分野との出会い

・パズル

私が一番早く出会ったのは、パズルです。
父親がペンシルパズル (ペンパ) 好きで、パズル専門誌『ニコリ』は創刊準備号から不定期刊だった頃を経て今でも『ザ・ジャイアント』に根気強く取り組む筋金入りのニコリストであるため、自然な流れとしてパズルに触れました。
ことによるとペンパとの出会いはジグソーパズルより早かったかもしれません。

幼い頃は海外暮らしでしたが、その頃から文字に執着があったためか、新聞や雑誌のシークワーズ (盤面上の文字からタテ・ヨコ・ナナメに連続して文字を拾うパズル) はいつも大喜びで取り組んでいました (今思えば、幼少期の英語の語彙獲得に役立った気がします)。

はじめは推理パズル、ナンクロ、数独あたりから入ってクロスワード、カックロ、イラストロジックへと進んだように思います。ハマると同じ種類のものばかりを解いていました。

また、中学では学校の友達とテーマに沿ったスケルトンパズルの作成に精を出していました。
例えばテーマを『幽遊白書』として、入るべき言葉のリストなしに登場人物や、彼らが通う学校名、必殺技の名前などを入れて解くというものです。子どもの情熱ってスゴい。

・謎解き&ミステリーイベント

次に出会ったのは、謎解きです。
1999年、インターネット黎明期から隆盛期に差し掛かろうとするとき、一つの暗号パズル系ウェブサイトがありました。
残念ながらサイト名はおろか、管理人さんのお名前すら思い出せない体たらくなのですが、デザイン的にも趣向を凝らした謎が出題されるそのサイトで、私は解答者の常連でした。

(ぼんやりとした記憶で、関西方面のデザイナーさんが作成していたように思うので、もしこの記事が我こそはそのサイトの関係者だ!という方の目に止まりましたらご一報いただければ幸甚至極です)

同時期、Flashゲームによるクリック型脱出ゲームが登場し、全盛期まで洋の東西を問わず数百種を遊び尽くした気がします。

その後、E-pin企画さんのミステリーナイト/ミステリーツアーにハマり、優秀探偵にも何度かなったりしたのですが、その時の仲間からの流れで出会ったのがSCRAPさんの「リアル脱出ゲーム」でした。
記憶にはあまり自信がないのですが10年以上前『9時間 9人 9の扉』とコラボした『廃倉庫からの脱出』というイベントがあり、それに参加したのが最初だと思います。

以来、徐々に業界に参入する団体さんが増える一方で遊び友達が所帯持ちになって行き、可処分所得のなんやかんやでソロ参加が増えていきました。

・クイズ

そんな中、SCRAPさんのイベントカレンダーに載っていたのが古川洋平さんが主催するラボクイズで年2回開催される大会のひとつ「原宿杯」でした。

それまで、クイズというのはテレビの中で行われるもの、というイメージだったのですが、実際に自分がボタンを押して解答権を得る形式と知り、興味を持ち、Twitterで古川さんに「全くの初心者なのですが、参加してもいいですか?」と尋ねたところ「大歓迎です」とのことだったので、たまたま1枚だけ残っていたチケットを購入したのがすべての始まりでした。

後になってわかることですが、毎回この大会のチケットは即完売するので、なぜその1枚がそこにあったのか、今となっては不思議なご縁と言うしかありません。

当日参加してみると、20人くらいかなー、と思っていた参加者はまさかの96人。そんなにクイズする人がいるんだ!という驚きを覚えました。
しかも、みんなが問題文の途中でボタンを押して、バシバシと正解を積み重ねて行くので、一体どんなカラクリがあるのだろう、と呆気に取られながらもなんとか3ラウンドまで駒を進めました。

この時は、企画書に2○3✕とあるのを見て、○×クイズをやるんだな、と思ったぐらい初心者だったのですが、それから5年経ち、今ではクイズYouTuberとなり、名のあるクイズプレイヤー諸氏と共に作問甲子園の審査員を務めているのですから、世の中どう転ぶかわかりませんね。

そのすぐ後にはニコリの『メガクロス』出版イベントのクイズ大会に参加して、現在まる芸ちゃんで共演している日髙大介さんと会っているので、パズルもクイズも垣根なく繋がっているという認識が人より強いかもしれません。

●マーダーミステリー

ここ数年はコロナ禍でリアルイベントに参加しづらい状況が続いたこともあり、オンラインでも楽しめるイベントへの参加が増えました。
海外のEscape Gameにも沢山参加しましたが、それとは別にマーダーミステリーへの参加も数多くなっています。

マーダーミステリー (マダミス) とは、自分が物語の登場人物となって推理を行う即興芝居のようなものです。大抵は殺人事件を題材としているので、事件としての殺人がなくても分野としてはマダミスと呼ばれることがあります。

恐らく最初のそのような体験はSCRAPさんの『10人の憂鬱な容疑者』だと思いますが、現在主流のマダミスは更にテーブルトークRPG (TRPG) に近づいた自由度が魅力だと思います。

自分が置かれた設定、与えられた人物の背景を咀嚼し、その人物として情報のアウトプットを (必要であれば嘘を交えて) 行う、という図式は人狼ゲームにも通じるところがあります。
実際、じゃんきちさん考案の「パンドラ人狼」は世界観の発見という新機軸が追加されたことにより、人狼ゲームとマダミスの中間に位置する作品群となっています。
(余談ですが、マダミス全般に食指が動かない方も、じゃんきちさんの『ランドルフ・ローレンスの追憶』だけは体験してみて欲しいと思うので、オススメしておきます)

●現在の各分野の比重

さて。世間的な実績という意味では、ミステリーナイト/ツアーの最優秀探偵獲得と、クイズLiveチャンネル様のLOCK OUT!での2度の優勝が大きい一方、謎検は2級なので、ミステリー=クイズ>謎解き>パズルかと思います。

しかし、謎解きで出会うパズルに関しては、比較的敬遠されがちなポリオミノ (テトリスブロックのように複数の正方形を辺同士で接するように並べた形状のピースを指定された枠に収めるパズル) や虫食い算/覆面算を含め得意なので、パズル要素は大歓迎です。

私が好んで参加しているTumbleweedさん、テストプレイにお招き頂くXEOXYさんは、いずれもパズル要素強め (往々にして水瀬Yazrow成分多め) の謎を提供して貰えることが多く、大変楽しませて頂いています。

(登場人物の中でやずろうだけ呼び捨てなのは、一緒に謎制作させて貰ったりクイズしたりで、他より少し距離が近いからです)

●結論

そんなこんなで長くなりましたが、私にとってクイズとパズルと謎解きとは、明確な境界がなく、それぞれがそれぞれとリンクしているものです。

補完し合うというわけでもなく、前述の「提示されるQにAを返す」というフレームワークに則った遊びとして全部楽しんでいるよ、ということです。

(本業である翻訳も、ある意味このフレームワークに則った「遊び」かもしれません。が、それはまた別のお話。また機会があれば語りたいと思います)

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