9匹の猫達と暮らせたわたしの幸せな時間の話

すっかり「自己紹介」に書くのを忘れてしまいました。

わたしには、9匹の猫と共に暮らせた幸せな時間があります。といっても9匹と同時に暮らしたわけではなく…、瞬間最多猫数(いちばん多かったとき笑)は、6匹ですね。

わたしが5歳の時、ブリーダーさんから譲り受けた(買った)、猫(♂)がうちにやってきました。「ソマリ」という品種です。

やがて、♀のソマリも譲り受けました。この2匹が親となり、3度も子供を産んでくれました(お母さん猫、ありがとう!)。1度目は2匹生まれ、この子達は2匹ともうちで暮らしてもらうことにしました。2度目は1匹、残念ながら死産でした。3度目は5匹生まれ、3匹を里子に出し、2匹はうちで暮らしてもらうことにしました。

こうして、うちには6匹から成るソマリのファミリーが出来上がりました。それはそれは、毎日楽しいし、色々と学ばせていただきました。

わたしが高校生の時、ソマリファミリーの1匹が、病気になってこの世を去りました。わたしにとって初めての、同居する家族との死別。とても悲しかったです。いや、悲しいとかそういう言葉ひとつでは、表せない気持ちでしたね。

そうやって年月を過ごし、別れを経験していき、ある時。野良猫(♂)がやってきました。近所の人に聞けば、うちの近所を縄張りにし、色々な家で食べ物を貰ったり、家にあげてもらったりしている、とても世渡り上手な野良猫でした。

はじめは、ごはんをあげるまいとがんばっていましたが、遂にごはんをあげてしまった時があり、それからお世話をすることになりました。

彼はとても強い猫でした。時には、縄張りを守るために他の猫と喧嘩をして、流血する怪我をして顔を出すことがありました。母は、彼を動物病院へ連れて行き、薬を飲ませたりしました。彼は非常に聡明で協力的で、一言で言えば「いい猫」でした。

わたしの父は、DIYをして彼に小さな、けれど立派な、屋根やビニールカーテン、外灯付きの小屋を建てました。彼は義理深い猫で、その小屋を大切に使ってくれていました。

夏の暑い或る日、母が買い物から帰ってきて車庫入れすると、彼がどこからともなく出て来たので、母はおやつを取りに家へ入りました。そして、母がおやつを手に外へ出ると…見たことのない、長毛の黒猫が、彼の後ろに、ちょこーーーんと座っていました!!

母は「え!?野良猫くん(ここでは名前を伏せます)、気付いてない!?喧嘩になっちゃう!」と思い、野良猫くんを抱き上げ黒猫を追い払おうとしました。黒猫は怯えて、向かいの家の車の下に入り込みました。すると、珍しいことに、野良猫くんが暴れて母の腕の中から抜け出し、黒猫が入り込んだ車の下まで行って、鳴き始めたのです。母は「(黒猫に)語りかけているようだった」と言います。わたしもそうだったんだと思います。

こんな感じで、わたし達は黒猫とも出会うことになりました。最初は、野良猫くんのお友達…?と思っていましたが、すぐに、黒猫のお腹が大きくなっていっているのがわかりました。

黒猫…いえ、黒猫ちゃんは、野良猫くんのお嫁さんだったんですね。

そうと決まれば、野良猫くんの去勢手術!彼は前述の通り、非常に協力的な猫で、つつがなく手術は終わりました。そして、うちに来なくなるなんてこともなく、過ごしました。

黒猫ちゃんは、現れたその日から、ほぼずっとうちの敷地で過ごしました。うちには先住猫がいて、うちで過ごしてもらうことは難しく、2匹とも基本は外で過ごしてもらっていましたが、ご近所さんからなにか迷惑しているとかそういった話を聞かず、2匹ともいい猫でした。

そして黒猫ちゃんは2匹の元気な子猫を出産。色々なことを考えて、うちの一室(わたしの部屋)を黒猫ちゃんと子猫達に使ってもらおうということで、黒猫ちゃんと子猫達には、うちに入ってもらいました。先住猫達とは、ドアで完全に仕切り、会わないように工夫しました。それからも野良猫くんは毎日やってきて、妻子の様子を見たり、たまにうちにあがっては妻子の様子を見たりしていました。

やがて子猫2匹は里親さんのところへ行きました。黒猫ちゃんと子猫達、子猫と子猫を離すという経験は、死別とはまた異なるどうしようもないしんどさがありました。

子猫が貰われていった後も、黒猫ちゃんはうちで暮らしました。その頃、ソマリファミリーは皆、天国へ行ってしまっており、黒猫ちゃんは家の中を自由に動けました。

別れというのは突然やってくるもので、ある時うちにやってきた野良猫くんは酷い声で鳴いており、何かを察して母が彼を動物病院へ担ぎ込みました。お医者さんは夜を徹して治療してくれたそうですが、朝にはお別れになりました。敗血症でした。

黒猫ちゃんだけが残りました。それからも数年、わたし達(わたしと母)は、黒猫ちゃんのお陰で本当に楽しく素晴らしい日々を過ごせました。わたしが一人暮らしで実家を出てからも、黒猫ちゃんはわたしを覚えていてくれてて、帰省した時にはそばに来てくれたりして本当に嬉しかった思い出です。

そうして、、母に看取られて、黒猫ちゃんも虹の橋を渡っていきました。

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みんな幸せだったかなあ。
幸せだったならいいなあ。

いつもそんな風に思います。

猫の美しい生き様を間近で感じられたこと、みんなと過ごせた時間、わたしにとって本当に大きな財産です。わたしが死ぬまでずっとずっと大切にする時間です。みんな、本当にありがとう。。そんな気持ちです。

というわけで、9匹の猫達と暮らせたわたしの幸せな日々を少し綴りました。また関連の話を何か書くかもしれません。

ここまでご覧くださった皆さん、本当にありがとうございました。

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