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彼の横顔


電車通学していたある日、
隣の車両で座っている彼の横顔に一目惚れをした。

風が吹いた。

私が高校1年生の時。
部活の朝練の時に、同じ電車に乗っている彼に気付くことが多くなった。
分かっていたのは、私が乗車するよりも先に電車に乗っているということ。

登下校を一緒にしていた友達のメグちゃんに、
私の一目惚れを打ち明けた。
彼は、メグちゃんと同じ駅から乗車していた。

そこから、メグちゃんの親切な調査。
彼のフルネーム。どこの高校かまで。
それが分かるのに時間はかからなかった。
彼と同じ中学にメグちゃんの友達が居たのだ。


彼の名前は、Sくん。


その頃、私にちょっとしたモテ期がきた。
ごめんなさい。とお断りする度に、
一目惚れの彼の存在が大きくなっていった。

ついに勇気を出して、Sくんに声を掛ける。
朝、駅のベンチに座っていた彼に。
ものすごい勇気を出して。

話してみると、向こうも私の存在には気付いてくれていた。
私が視線を送ってしまっていたのだろう。
恥ずかしい。


そして、まもなく。

Sくんと付き合うことになった。
初めて私が声を掛けた時、すごく嬉しかったと。

勇気を出してよかった。
夢のようだった。
嬉しくて、飛び上がるほど嬉しくて。

Sくんと付き合った日々は、キラキラしていた。
Sくんは男らしくて優しかった。


後にも先にも、私の一目惚れは一度だけ。



こんにちは。
久しぶりの投稿になりました。
8月下旬から家族全員が順番にコロナ感染。
私も最近、完全復活しました。

身体の調子が悪い間、簡単なことは発信できるのに、
何か考えることとなると手が止まってしまっていました。

今回のnoteは、8月の帰省の際、地元の電車に乗りながら思い出していたこと。
スマホのメモに文章にして残していました。

久しぶりのnote。
緊張します。

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