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フランスひとり旅を終えて

 最新の情報と思って調べていても、現地に行ってみたら変わっていることが多く、旅行ガイド等は参考程度に留めておく必要があるなと実感。


【食事編】

 美食の街フランスへ来て、正直ロクな食事はしなかった。ホテルは朝食付きだったので、朝ブッフェで食べてしまうとお昼はあまりお腹が空いていなくてお茶で済ませ夜はパン屋で美味しいパンを買ってきたり、スーパーでかんたんな副菜を買ってきたりして部屋で食べることも多かった。

 ホテルブッフェとカフェ程度での感想になるが、パンは種類も豊富な上に何を食べてもハズレなく美味しいが、料理の味付けは、すごくあっさりしていると思う。というかほとんど味が付いてない。たとえばオムレツ、わずかな塩味しか付いてないのにそばにケチャップがないから物足りなく感じる。肉を食べても、基本肉の味しかしない。たいていの人が自分で塩コショウを振って食べている。

 行って良かったお店をご紹介

ギャラリーラファイエット グルメ館

 ギャラリーラファイエットのグルメ館は、デパ地下みたいに美味しいものに溢れてた。階を上がれば有名シェフの店がカジュアルな形式で並び、服装に気を遣う必要もなく気軽に食事が楽しめた。会計には自らレジまで赴くのでチップがないのも面倒がない。無料トイレもあるし安心して楽しめるスポット。

【Bagnard by Yoni Saada】

 どれを頼んでも美味しかった。そして使っている食器がとにかく可愛い。いろいろ試してみたくてついあれこれ頼んでしまって、残ったものは夜の食事分としてお持ち帰り。3階の食器売り場では、このお店で使用していたお皿が売られていた。次に訪れ時にはぜひ購入して手荷物で持って帰りたいな~

サンドウィッチとパスタ
サラダ

 葉物の野菜をずっと食べてなかったので、特に美味しく感じた。ブッフェには野菜がないのだ。

「アラン・デュカス Alain Ducasse」

 お店の方がじゃんじゃん試食させてくれて、どれも本当に美味しかった。確かに高いが極上の味につい財布の紐も緩む。

パッケージもオサレ
サクサクのビスケットの上に
プラリネが乗っている日本未発売の品。
舌がとろけるほど美味しい

【旅行前心配していた問題について】

◆toilet問題

 ヨーロッパにつきものなトイレ問題。しかしパリにはデパートがあり、綺麗なトイレが備わっているし、観光施設は基本無料のトイレがあるから困ることはなかった。

◆チップ問題

 毎日枕チップを置いていたのだが、一度も持っていかれることはなかった。このホテル限定なのか、客室係の方のポリシーなのかは不明だ。正直これだけのためにユーロを準備してきたのに。

◆治安問題

 1人旅、一番心配された治安。恐怖を感じる場面はなかったが、街中では常に周りに気を配っているから疲れた。地下鉄は入場時だけ切符を通すかパスをタッチして入るが、出るときは何のチェックもなくゲートを通過できるから、誰かが出てくる隙に入場して無賃乗車する輩がたまに居て、そういう人たちのことは警戒してホームでも近くに寄らないようにしていた。
 混雑した地下鉄には乗りたくなくても、時間帯によっては嫌でも密着して乗らなければいけない場合もある。出発前は外でスマホはなるべく開かないようにしようと思っていたが、駅名は似たようなものが多く、どこへ行くにもグーグルマップで確認しながらで、スマホ片手に歩かないわけにはいかなかった。

◆言語問題

 メニューは基本フランス語である。店員の応対も基本フランス語であるが、英語を話せば理解してくれる。美術館入口の保安員はフランス語の上言葉尻も強くけっこう威圧的に感じた。
 やっぱり英語、もっと話せたらな。できたらフランス語まで少しは理解できたら最高だなと思った。 

◆飛行時間問題

 ヨーロッパへの長い飛行時間、自分のタイミングで自由にトイレに行きたいと考える人がほとんどだろうから通路側のほうが人気だけど、通路は通路で窓側や真ん中に座っている人がトイレに立つ時一緒に立たなければいけない時もあって、面倒だし気も使う。これ解決するには、エコノミーを脱しなければならないのだろうな。
 帰国の際の保安検査前、点在する係の人がやたらと列に向かって「Liquid(リキッド)!」「Liquid(リキッド)!」と叫びながらジッパー付きのビニール袋を掲げていた。液体の持ち込みの厳しさが伝わった。

 エールフランスはエコノミーでもカプチーノが飲めるのは嬉しかった。後方にはフリードリンクとフリー軽食が準備されていて、小腹が空いてきた時に助かった。映画も多くて飽きることがなかった。

【感想】

 2月のフランス、サミィ・・・。やっぱり冬の旅行は大変だったな。

 そして円安のせいで、全てが高いと感じた。

 スーパーで購入できるばら撒き用のお菓子も、円に換算したらばら撒けないような値段になる。
 フランス土産の代表のようなラメールプラールのクッキーやボンヌママンのマドレーヌだって、確かに美味しいけど思ったより小さくて高いと感じた。日本でこれくらいお金を出せばもっと美味しい品があるのではないかと思った。

 フランスの観光地を回ると、自然にフランスの歴史に触れる旅になる。栄華を極めたヴェルサイユ宮殿でのマリーアントワネットの豪華絢爛な生活ぶりを目にしたすぐ後に、処刑されたコンコルド広場に立つ。エトワール凱旋門にてナポレオンの功績に思いを馳せ、悲劇のヒロイン、ジャンヌ・ダルクを偲ぶ。歴史的建造物と美術品を間近に見て圧倒されて、栄光と革命とその結末までをめまぐるしく巡る旅の終わりには、偉人たちを身近に感じ始める。
 フランス人のセンスの良さってどこから来るのだろうと思っていたが、世界遺産に囲まれて誇り高き偉人達の功績をいつも身近に感じているせいもあるのではないかと思えた。カフェで隣り合わせた40代くらいの女性、美術館で黙々と彫刻をスケッチしている女の子、いい意味で他人に興味がない。周りに合わせてはみ出さない平凡をよしとしない。自分が自分らしくあることへの誇りが感じられた。
 自分を見つめ直す良い旅になりました。

 また近いうちにフランスを訪れたい。今度は観光地巡りでなく街歩きを楽しんでみたいし、地方にも足を伸ばしてみたいな。出来ればもっと暖かい季節に。