第9話　空飛ぶ虹色ネコ

正真正銘の空飛ぶネコとは・・・

　大蛇の姿が見えなくなってから間もなくのこと　約束通り虹色ネコが迎えに来てくれました。そして二人を乗せて空に舞い上がりながら言いました。
『あの大蛇は見た目は怖そうだけれど　実はスッゴクさみしがりやなの。たまには遊んであげてね。』
そしてこんな事も言いました。羽を持つネコと言えば　翼ネコとか　天使ネコとかその他色々います。でも虹色ネコとしては　ネコに羽をつけただけのそれらを空飛ぶネコとは絶対認めないと言うのです。自分こそは龍とネコの血を引く正真正銘の空飛ぶネコなのだと言い張りました。
　空飛ぶネコの定義が何であれ　この虹色ネコの姿は実にかっこいいとミノリョンは思いました。
　あとでマギーナに聞いた話ですが　虹色ネコは招き猫の事が嫌いらしいのです。
招き猫その物が嫌いなわけではありません。かなり間違った呼び方をしている子どもがいるらしい事が気に入らないのです。
例えば　
まねきネコというべきところを
なげきネコ　なまけネコ　まぬけネコ・・・など
口から火を噴きそうな勢いで怒っていたそうです。
　その虹色ネコに案内されたのは夢の世界の中でも　一番人気の高い美しい世界でした。手袋の持ち主について何かわかったらしいのです。と言うよりその持ち主らしき住人がそこから消えてしまい人間の子どものいる世界に行ったまま戻ってこない・・・とのことです。
『えっ　それってどういうことなの？』