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5 どうやって自然界に帰すの?
人の手で育てたツバメが 生き残れるのだろうか?
マークンが鳥かごをさげて庭に出て来ました。家族みんなも一緒です。それぞれ鳥かごの中をのぞいてはピースケにあいさつをしました。
面倒を見てやれるのはここまでだよ。しっかり自分の力で生きていくんだよ。元気でねとか またおいでねとか。
マークンとナーちゃんはピースケを鳥かごから出すと二人でやさしく手の平にのせました。それから『せーのっ』て声をかけあいながら 祈るような思いで 空に向かって思い切り高く投げ上げました。
親鳥から教えてもらったわけではないから飛び方はかなり危なっかしかったけれど、それでも高く飛んでお向かいさんの屋根の上のアンテナまで何とかたどり着きました。ぜいぜいと両肩で息をしているのが遠くからでも見てとれます。心細そうな感じってわかるでしょ。この時のピースケはまさにそんな感じだったんです。マークンもナーちゃんもお父さんもお母さんもみんな心配でやきもきしながら声をかけ続けました。
『ピースケ 飛んでごらん がんばれ!』
ピースケにもみんなの応援する声は届いていたと思います。だから自分でも何とかしなくちゃいけないと思ったんでしょう。何度も鳴きました。何度も何度もピーピーと。最初は小さなピーピーだったのだけれどだんだん大きなピーピーになりました。
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