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09 いよいよ肺カメラを飲む

麻酔薬を噴霧しながらの 結構しんどい検査

『そんな例えはいらんから 何があったのか言ってみ。』
『カメラの付いた管を喉を通して肺に入れることになってるわけだわ。ところがさ・・・』
 と言うわけでウメちゃんの説明はこういう物でございました。もともと肺は異物を寄せ付けない臓器でございます。ですからカメラなんかが入ってきたら当然除外しようとして咳き込むわけです。それを避けるために麻酔薬を噴霧しながらの作業になるんでございますね。
『だらさあ ビックリもするしガッカリもするじゃないか いきなり目隠しされちゃったんだよ。その麻酔薬が目に入っちゃいけないからだって。これじゃ楽しみにしていたのに肺の中なんて見られないじゃないか。』
『勇気あるなあ ウメちゃんは。私なんか目隠しされようがされまいが とにかく怖くて 絶対そんなもん見られんかったと思うよ。』
『後で分かったんだけどね 検査する人達も麻酔薬から目を守る為にフェイスガードみたいな物をつけるんだそうだ。
とにかく若い検査技師のお兄ちゃん三人がかりで検査の準備が始まって、カメラを飲み込んだよ。声を出しちゃいけないって言われたね。声帯を傷つけちゃうからね。だけどさあ問題はその後だよ。一人が言ったんだよ。
”はい これから薬入ります 10 20 アッ いけない入り過ぎちゃった アッ アッ ア~ ・・・・”
なんて・・・。どういう事 ねえそれって どういう事って ねえ ねえ 心の中で思い切り叫んじゃったよ。これで私が二度と目を覚ますことがなかったとしても さっきのア~~~の言葉の意味の説明は誰も聞くことはないんじゃないかって・・・思ったよ。』

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