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N-08 お坊さんをインターネットで予約できる時代

実に耳に心地いい低音の読経!

 そんな塩梅で悪友からはある事無い事聞かされながらトラさんは楽しく過ごしておりました。そこへ急にお坊さんが見えたんですよ。驚きましたね。そこまでは頼んでおりませんでしたから。
『ところでちょっと伺いますが、天使の代役のアルバイトさん、』
『あっ私の事は簡単に 代理さんか 代役さんとでも呼んでいただけませんかね。』
『そうですか。それでは代役さん、インターネットと言う物をご存じですか。』
『はいはい良く存じております。』
『最近はお葬式用にお坊さんをインターネットで予約できる時代になったんですよ。それで仲間が餞別のつもりで まあ 餞別と言う言葉が当てはまるかどうかはわかりませんが、私の為にお坊さんを呼んでくれたというわけです。』
 そこで友人がその場を仕切り始めまして『お~ いらっしゃった。お坊さん こちらです。それじゃ悪友のコイツの為にお願いした通りの手はずで、形ばかりではございますが葬儀の真似事をしてやって頂きたいと思います。』となったわけですよ。
 主役のトラさんは用意された布団に横になりまして 静かにしておりました。そうしたらこのお坊さんの低音の読経の気持ちのいい事ったらありません。いつの間にかぐっすり眠り込んでしまったんですね。
『そうですよ。それで目が覚めたら 天使の代理のアルバイトさん あなたが目の前にいた・・・と言うわけですよ。』

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