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6 奇跡のような光景

ツバメの救援隊あらわる!

 ピースケは自分にできる事を精一杯やりました。鳴いたのです。生まれて初めて全身の力を使って必死で鳴いたのです。
その鳴き声を聞きつけたとしか思えません。ツバメの一団が飛来してピースケのつかまっているアンテナの周りをぐるぐると旋回し始めたのです。ツバメ達がピースケに何かささやきながら飛んでいます。
 それはまるで さあいっしょに行こう。飛んでごらんと言ってるみたいです。ピースケは仲間に入れてもらおうと羽ばたきしながら何度も飛び立とうとはするのですが怖くてなかなかアンテナから離れられません。それでもツバメの集団は根気強くピースケの周りを飛び続けています。そしてとうとう一大決心をしたピースケがその群れの中に飛び込んだのです。
『わー 見て 飛んだよ ピースケが飛んだよ。』
マークンとナーチャンはガッツポーズをして大喜びです。あんなに小さなピースケが大空を飛んでいるんです。仲間達に守られながらみんなといっしょにいっぱしのツバメ飛びをして。ツバメ特有の超低空飛行から一気にそのまま上空に舞い上がるあの飛び方をして。
『やっぱりツバメなんだね ピースケは。あんなにカッコよく飛べるんだ。』
ツバメの群れはまるで挨拶でもするかのようにみんなの頭上を何度か旋回すると どことも知れぬ次の目的地に向かって去って行きました。
マークンもナーチャンもお父さんもお母さんもピースケ達が飛び去った大空に向かっていつまでもいつまでも手を振り続けました。
           ー完ー

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