O-25　空がこわれちゃったよ～

ワ～　キャー　こんなのありですか？

　空に流れる大きな川があるでしょ？　天の川って言うんですか？　それがあふれちゃったみたいです。ゴロゴロピカピカひどいカミナリがなってその後　ビチャビチャ　ドヒャドヒャ　バシャン　バシャンていう物凄い音と一緒に雨が私の庭に覆いかぶさってきたんです。私の小屋は暴風雨に吹き飛ばされて・・・あれ？　それは私の妄想かも？
　とにかく　あっと言う間に 庭中　川みたいになって私の小屋の中にまで水が入り込んできたんです。
『お父さん　お母さん　たすけて～』って叫んでみたけど二人ともお家にいないし。　止まらない天の川からの放水。私はしっぽも耳も垂れたまま爪先立って小屋の壁に身体を押し付けて呆然としていました。もう身体もビショビショです。
　あっ　お父さん　お母さん　それにお兄ちゃんも帰って来た　あのね　いまね・・・あらら　・・みんなお家に入っちゃいましたよ
もうあっちもこっちも川みたいです。
おや　お母さんがご飯の用意をしてくれてるみたいですけど、それどころじゃないと思うんですよ。
『モモ　よくがんばったね。もうしばらくのしんぼうよ。もうすぐ雨はやむからね。』
そう言って私を小屋ごと風除室に避難させてくれました。タオルで身体を拭いてくれて　ぎゅっと抱きしめてくれたんです。それからしばらくして雨も止みようやく静かになりました。良かった。天の川の修理が終わったみたいです。
　ほっとしてご飯を食べることができました。