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O-12 心が痛む時は 黙って一緒に夜空を見上げよう!

今夜は特別に夜空をお母さんにも分けてあげる

 すっかり夜も更けて風が涼しく感じられるそんな時のことです。お母さんが庭のベンチにやってきました。いつも通り私の頭をなでたり私に話しかけたりするのに 何となくいつもとは違うのがわかります。しばらくの間ただ黙ってベンチに座って夜空を眺めていました。
お母さんだけじゃないんですよ。家族はみんな ふと一人で考え事をしたくなると庭に出て来て私のベンチに座るの。
今夜はお母さんですね。
 私にはわかるんですよ。こういう時はお母さんの心が痛んでいるか または大切な人の事を思い出したり心配したりしている時なんですよ。だから私は眠たかったけど起き上がってお母さんのとなりに座って一緒に夜空を眺めることにしました。
夜空って不思議。青白いお月さまは まん丸だったり三日月だったり色々。お月様がいなくてそのかわりお星さまがいっぱいの時もあるでしょ。雲ばっかりで暗い夜空の時もあるけどね。
今夜は・・・ワオ お月様がキレイです。
夜空はね、いつもだと私が全部独り占めしちゃうんだけど、今夜は特別にお母さんにも分けてあげるね
 どのくらいそうしていたのかな。流れ星がひとつ またひとつ光りました。いつの間にかお母さんが私の頭や背中をなでています。
『モモに心配かけちゃったかな もう大丈夫よ ありがとね。』
お母さんはそう言って私をぎゅっと抱きしめてからおうちに戻って行きました。
 夜空の月の光がサヤサヤと風に舞う音がします。それを聞きながら 私も眠ることにしました。

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