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ガンバレ 子ツバメピースケと (10)もりのふるぎやさん

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子ツバメの巣立ちと お兄ちゃんとなあちゃんの夏休みに起きた不思議な冒険物語。楽しい昆虫達がいっぱい
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#かくれんぼ

K-09 かくれんぼの木

自己紹介しながら自慢話をしよう  みんな一斉に空に向かって飛び立ちました。 マークンとナーチャンが今飛んでいるのは二人がさっき遊びに来ていたあの雑木林の中なのでしょうか。全く見当もつきません・・・と言うより飛ぶことに夢中でそれ以外の事など何も考えられなかったようです。それは多分仲間達もみな同じだったでしょうね。  誰かが言いました。 『かくれんぼしようよ!』 みんなワイワイ言いながら集まりました。そしてじゃんけんです。 『最初はグ― ジャンケンポン!』 ・・・そして決まりま

K-10 生きてる時間て何なのか よくわからなくなっちゃう

アッ クワガタ み~つけた セミもみ~つけた 『みつかっちゃったね。セミの紹介はもうしたからね。クワガタ君 どうぞ。』 『わかったよ それじゃぼくね。カッコ良さなら誰にも負けないよ。強さもね。格闘シーンは見たことあるでしょ。このクワの部分で相手と組み合って グーンと持ち上げて放り投げるくらい力持ちなんだよ。』 『それはカブトムシと同じだね。』 『ああ。でもクワガタは身体がスゴク薄いから 木の皮のすき間にするっと入れるんだよ。そこがカブトムシとはちょっと違うかな。』 『脱皮と

K-11 隠しきれないね そのキレイな羽

アゲハ み~つけた 『みんなには悪いけど 昆虫の中で一番キレイなのは何と言ってもアゲハだと思う。だからどの昆虫を選ぶかって聞かれたら もうアゲハ以外は考えられなったよ。』 『確かにホントきれいだよね。種類によって色とか模様とか ずいぶん違うでしょ。羽に色がついてるのかな?』 クワガタがアゲハに聞きました。 『トカゲおじさんに教えてもらったよ。 羽に直接色のついているチョウもいるみたいだけど ほとんどは鱗粉の色というか仕組みかな。鱗粉って聞いたことあるでしょ。あれはとっても小

K-12 美しい羽のハープ奏者

コオロギ み~つけた 『あ~見つかっちゃった。 ボクはコオロギ。昆虫の羽はどれもキレイだけど、コオロギの羽って 何て言うか楽器のハープみたいな感じなんだよ。ステキな模様もそうだけど こすり合わせるだけであんなにいい音がでるんだから ホント スゴイと思うよ。そこが好きだって言ったらね おじさんがこんな風に みんなによく見えるように そして自慢できるように特別に作ってくれたんだよ。』  羽がキレイという言葉に反応したのかアゲハが言いました。『うん確かにキレイだよね。でも えっと

K-13 近づくことも 捕まえることも難しいよ!

トノサマバッタ みーつけた 『かっこ良さと言う意味では トノサマバッタは最高でしょ。子供達に人気のヒーロー物のモデルにもなってるくらいだから言うまでもないけどね。』 そんな事を言いながらみんなの所にやってきました。 『特技は何?』 コオロギの質問に ちょっと考えてからこう答えました。 『結構警戒心が強いからね 近づくことも捕まえることも難しいと思うよ。それから飛び方かな。ジグザグに飛ぶとか 一度飛び跳ねてからかなり遠くまで一気に飛び去ってしまうとかね。』 アゲハが聞きました

K-14 蓼食う虫も好き好きとは言うけれど・・・

えっと あれは何かな ハエ? 『アッ 私ハエなの。多分見つけるのは難しいだろうし、もしかしたら無視されちゃうかもしれないと思ったから自分から姿を見せちゃった。』 確かに地味なハエは見つけにくいかもしれませんね。 『どうしてハエになろうと思ったの。希望する人は少ないんじゃないかな。』とマークンは思ったままを口にしました。 『ハエは人にはあんまり好かれていないけど あんなに小さいのに物凄いスピードで飛び回るでしょ。ハエ叩きなんかでつかまえようとしても まずつかまらない。だからあ

K-15 アッ テントウムシ み~つけた! コガネムシも み~つけた!

赤と黒のステキなデザイン 『ナーチャンはもうコガネムシのお話ししたから テントウムシさんお願いします。』 『コガネムシもテントウムシも小粒でかわいいってことではきっと一緒ね。どっちも子供達に人気が高いと思うな。  テントウムシは天道虫って書くんだよね。 葉っぱの先まで移動して 行き場がなくなると飛び立つ姿がまるでお天道様(太陽)に向かって飛び立つように見えるからってことで こんな名前がついたみたい。 何度でも言っちゃうけど とにかくカワイイんだよ。種類は多くてね 日本だけで

K-16 え~ カミキリムシの幼虫はおいしいって?!

見つけたよ カミキリムシ!チャームポイントは長い触覚 『この長い触覚が何と言ってもチャームポイントだと思うんだよね。』 触覚をこれ見よがしに これ以上ないくらい誇らしげに振りながらやってきました。 『触覚の品評会があれば一等かもね。』 アゲハにそう言われてカミキリムシは満面の笑みを浮かべました。 『特技は何かあるの?』 ハエに聞かれて待ってましたとばかりに答えます。 『顎の力が半端ないんだよ。固い木の皮でもかじっちゃうからね。鋭いだけじゃないよ のこぎりみたいになってるんだ

K-17 花蜜集めに飛び回るミツバチを見つけたら お礼を言おう!

あっ ミツバチ み~つけた 『あっ見つかっちゃったね。本物のミツバチって小さいでしょ。11匹で漸く一円玉1個分くらいの重さになるんだって。』 『密を集めるために花から花へ飛び回るでしょ。ミツバチは1日中お仕事してるの。』とナーチャンが聞きました。 『トカゲおじさんに教えてもらったんだけど、1日に10回くらい巣まで行ったり来たりするみたい。それにねその1回ごとに 自分の身体の半分くらいの重さの花蜜を持ち帰るらしいの。こんなに働いても10日で4gくらい・・・そんな生活は どんな

K-18 まだ見つかってないのはだ~れだ?

カマキリ君はどこに行っちゃったんだろう  なかなかみつからないね カマキリ君! 小枝の陰 太い木の幹の裏・・・どこに行っちゃったんだろう  マークンカブトムシは探すのに夢中になり過ぎて大きなクモの巣に全然気づきませんでした。  そして本の一瞬の出来事でした。 『あっ 羽が動かない。わっ クモの巣に引っかかっちゃったみたい。キャー誰か助けて!』 逆光の中 クモが巣の端の方から黒い影となって現れました。目だけが赤くギラギラ光って見えます。巣の糸にそって動く長い手足が何とも怖くて