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やっぱり愛されたかったあなたへ

私には3つ年上の姉がいる。姉は典型的なしっかり者の長女。
更に言えば、私たちは年子で3人姉妹。


しっかり者で忘れ物もせず、宿題もきちんとやる、言われなくても勉強して、手伝いも良くする
子供ながらに「姉ちゃんは偉いなあ」といつも思っていた。


でも、その姉ちゃんが最近「もっと親に甘えたっかったなあ」と呟いたのだ。


「ええ、そんなこと思ってたの?」
「そうよ、私いつも我慢してた」
「姉ちゃん、怒られることもなかったでしょ」
「だって私いい子だったもん」


こんなような会話だった。
しっかり者で自立心のある姉がまさか「甘えたかった」なんて。
末っ子で割と自由奔放にフラフラしていたのが少し申し訳ない気持ちになった。




人間関係も良好なように見えた姉だが、出産後に産後鬱になった。
些細なことで涙を流したり、子供もあやしながら泣いている姿を度々目にした。
産後鬱から立ち直り、復職したあとも姉は夫婦関係のトラブルを抱えていた。



夫とは決定的に不仲になり、友達とも喧嘩することが無かった姉が夫を罵り始めたのだ。
夫婦仲は今でも冷え込んでいる。



姉ちゃん、こんな人だったけ……




私はかなり驚いたし、いつも順風満帆な姉がこんなことになると思ってもみなかった。
姉は年子を育てる母のため、家庭のためにいい子にならざるを得なかったのだと感じた。




それが、自分が家庭を持つようになって「理想の家庭」をキープするために必死になっている。
私は今まで頑張ってきたのに。
私は今も頑張っている。
私だけ頑張っている。
私、私、私……

姉の言葉には「私」が多くなった。
姉は今も昔のように自分が家庭の秩序を正そうと必死なのだ。
夫は末っ子でのんびりタイプでそれについていけない。
両輪のスピードがづれてしまっているんだ。
猛スピードと徐行運転。




「私ももっと甘えたかった」

姉の望みは小さい頃から変わっていない。
姉だって「甘えたかった」けれど、「甘え方」がわからなくて「甘えられなかった」んだ。
母が悪いとも言わない。母は厳しかったけれど、必死に子供を育てていた。
家庭の状況もあり、本当に大変な子育てだったと思う。
母も愛情があったし、姉も母への愛があった。



優しさや愛情がお互いを思いやり過ぎて苦しくなっている。
愛情はきちんと表現すべきだったし、愛情は欲しいとちゃんと手を上げて良かったんだよ。
近くなるとこれが難しい。私たちは愛情を表せばいいんだろう。



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過保護
親が子供を過剰に保護すること。
過保護は決して悪いことではありません。
むしろ、親が欲求に応えて上げることで、子供は「自分の願いを叶えてくれた」と満足し、自然と自立の道を進んでいくのです。
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ええー過保護っていけないと思っていた。
愛情を表すのって小さな行動からジワジワチョコチョコ伝えていくか、と思ったりした。

今日は息子がご飯を食べさせてくれと言ってきたら、食べさせてやるか。
そのくらいのことでもいいのかな。



姉は私典型的な長女タイプだわ、と言っていた。
でもね、姉さんよ。
母はあなたのことを周囲ではよく褒めているよ。
大丈夫、あなたはちゃんと愛されていたし、あなたの優しさは母にちゃんと伝わっているよ。





桃山ももこ

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