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【大阪】長町毘沙門堂

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『長町毘沙門堂(浪花百景之内)

長町ながまち 毘沙門堂びしやもんだう は、難波なんば御蔵前おんくらまえ よりひがし二てうにありて、境内けいだいは長町へとふぬけなり。この 尊像そんざう 霊験れいげん著明いちじるして、詣人はいじん たゆるときなく、読誦どくじゆ 仰合かつごうの声、宝前ほうぜんに  かまびすし。

かつ  鳥居とりゐまへは、広田ひろた今宮いまみやおよび  住吉すみよし街道かいだうなれば、つねにぎわしく、此所このところ より、多門たもん天尊てんそん遥拝ようはいしてすぎざるものまれなり。


※ 「迎合」に「かつごう」のふりがなが付けられています。「かつごう」は、渇仰かつごうのことと思われます。渇いた者が水を切望するように仏を仰ぎ慕うという意味。

長町毘沙門堂は難波御蔵前よりひがし二丁にありて
境内は長町へ通り抜なり
鳥居前は広田今宮及び住吉街道なれば
常に賑わしく此所より多門天尊を遥拝して過ざる者は稀なり



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