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『万国名勝尽競之内』大清南京府市坊
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『万国名勝尽競之内 大清南京府市坊』
万国 名勝 尽競之内 大清南京府市坊
南京は 支那の 一大府にして、當時 清国王族の 居城たり。三方海洋に 臨み、城下 巷街に 下流をせき入れ、諸所に 橋を 渡し、市坊の 商家 數万軒、両邉に 棟を 並べ、將 蠻国の 商官、此所 彼所に 居館を 設け、国産をひさぎ、土産をあがなふこと、本朝 横濱の 地に 異ならず。
※ 「ひさぎ」は、販ぎ。販売する意。
※ 「あがなふ」は、購う。買い求める意。
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異人は、海港に 舶をよせ、出るあれば 入ありて、繁昌 餘州に 比するはなし。
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『万国名勝尽競之内 大清南京府市坊』
且、都下 一里を 隔、柳巷花街の 一廓あり。妓女三千 嬋姢として、錦繍の袖をひるがへし、歌舞 艶曲の 調べ 昼夜に 絶ず、總て 支那 五十八省の 内、南京の 男女は 形容 艶優にして、技蓺にのみ 心 をゆだね、利に走る㕝を 専らとなせるにあり。そは 暖地繁花の 国風によるところ也とぞ。
萬國噺の作者
假名垣魯文譯誌
※ 「嬋姢」は、嬋娟。容姿があでやかで美しいさま。
※ 「錦繍」は、錦 と刺繍を施した織物のこと。美しい衣装。
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『万国名勝尽競之内 大清南京府市坊』
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筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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