志摩国　荒布刈之図　五色砂ニテ盆石飾

志摩国　荒布刈之図

出典：国立国会図書館デジタルコレクション『大日本物産圖會 第1帖』

荒布あらめは、其形ち昆布こんぶに似て、薄く柔にして、黒色なり。当国、鳥羽の海底と、他所々に生ず。土人、鎌かまを以て、海底に沈み、岩に付たる荒布の根を刈かりて、浮うかむ。あらめ、浪なみの為に、自然と陸地をかへうちあげたるを、取まとめ、乾かはか して諸方にいだす。

鎌を以て海底に沈み岩に付たる荒布の根を刈て

あらめ  浪の為に自然と陸地へうちあげたる

同国　五色砂ニテ盆石飾

出典：国立国会図書館デジタルコレクション『大日本物産圖會 第1帖』

当国、鳥羽に産する砂は、其色、数種あり。青、黄、赤、白、黒、その他、数色を製●。故に、此砂を以て、盆石ぼんせき画を畵する。則、黒●の盆中に、諸国名所、花鳥山水、好みの如く、色砂を以て彩色さいしきし、床とこの間の置物、額面、或は、紙上に砂を止て、掛物等になす。

鳥羽に産する砂は其色数種あり

此砂を以て盆石画を畵する

盆中に  諸国名所  花鳥山水  好みの如く
色砂を以て彩色し

◇

あらめと油揚げの煮物
Photo by mominaina

筆者注　●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字･誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介／免責事項」をお読みください。📖