金山淘汰絵(きんざんかねゆるゑ)
金山淘汰絵
金山は、ほり出したるはく石をくだきて石うすにてひき、からうすにてつき、猫田ながしにかけて、その上を板ゆりにかくる也。此はたらき人は、賃をとらず、衣裳にしみ付たる金の粉を取て、その日のいとなみとする也。
昔はとぢ金といふて、黄金一かたまりにかたまりたるが出けれども、今はそれは甚だまれにて ● はくいしばかりなり。いにしへみちのく山にこがね花さくといへるはとぢ金なるべし。
※ 国立国会図書館デジタルコレクションの目次では「金山淘法の繪」とありますが、ここでは「金山淘汰繪」と読みました。
※ 「はく石」は、鉑石。
※ 「猫田ながし」は、金や銀などの選鉱方法のひとつ。細かく砕いた鉱石を、板に張った晒木綿やねこだ(藁や縄で編んで大形の筵)などの上に流して、その目に残った金や銀の粒子を採取する方法。
『日本山海名物図会』の目次はこちら → 「日本山海名物図会 まとめ」👀
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖