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真鞴大工所作(まぶきだいくしよさ)

真鞴まぶき大工だいく所作

まぶきといふは、銅よりしろ殻実からみをぬきとりて、正味ばかりに仕あげてうす銅にへぐ也。ふいごは二挺ふいごなり。歌 まがねふくとよめるはまぶきのことなるべし。

古今集大歌所の御歌
 まかねふく 吉備の中山 帯にせる
    細谷川の 音のさやけき

吉備の中山は備中也。今も備中より多く鉄を出せり。


※ 「真鞴」の「鞴」は該当する漢字がないため、国立国会図書館デジタルコレクションの目次「真鞴大工所佐」に従いました(鞴=音読みフク・訓読みふいご)。また、「所佐」はここでは「所作」と読みました。
※ 「まぶき」は、真吹き、間吹き。日本の製銅法のひとつ。
※ 「白め」は、鉛を含んだすずのこと。白くず。
※ 「殻実からみ」は、からみ。鉱石を溶かして精錬するとき生じるかすのこと。スラグ。
※ 「まがね」は、真鉄まがね。鉄のこと。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本山海名物圖會 一
「たゝらかべ」「ふいごは壁のうらに有」
まかねふく吉備の中山帯にせる
細谷川の音のさやけき


※ 参考:新居浜市立図書館 令和3年度講座「別子銅山を読む」「銅山用語

『日本山海名物図会』の目次はこちら → 「日本山海名物図会 まとめ」👀

筆者注 新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖