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【梅園魚品図正】(12) へ鯛(へだい)/烏賊魚(いか)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻1


へ鯛

海魚魚


烏賊魚 イカ

癸巳二月三日 真寫
海魚類

烏賊魚 イカ 
墨魚 『綱目』  烏ゾク 『素問』  ラン魚 『日華』

螵蛸ヘウセウ は、伊加の甲を云。
烏賊、墨 有 腹中  故 墨魚 云。

烏賊魚、其類多し。
コブイカ  水イカ  柔魚スルメイカ
■管シクハチイカ [■は王+巛+貝]  又、ザバイカ とも云 
アブリイカ  小イカ
なぞの類多し。

こゝに圖する者は、只 イカ と通称す。
數類多き故、此者を国俗 ホンイカと云。
ホントウと云なまりいゝ也。
米烏賊魚、俗に ベカ と云。

■ 曰  [■は王+罒+衣]
烏賊魚の口にある者を、国俗 トンビ、カラスと云。

 つばさ 如 

其形 如 

鳶烏トンビと云者、烏賊魚の則 歯也。
如此口中にて くひしばり、飼を食ふ。
鯛に三つ道具 有が如ならす。
烏賊魚に、烏の名あること、此 きばより出たる乎。

『和名鈔』 烏賊  伊加
『南越志』に云 烏賊
今   ニ烏賊   ニ  フ  ニ ル  ニ 。 [■は魚+賊]
■ 亦  ル  ニ リ  『玉篇 ニ 
 ニ  ラ  ブ  ニ  テ  ノ ラク  スト   ム  チ  シ   ル ヲ 故 以  名 之。



筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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