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【大阪】住吉高灯籠

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『住吉高灯籠(浪花百景之内)

住吉の浦 高灯籠たかどうろう本社ほんしや真西まにしありて、夜毎よごと 入船にうせん の目印となす。このところ長峽浦ながおのうらといふなり。

すべて、このへん絶景にして、東は 社当しやたう松林まつばやし しげくさかへ、西は 蒼海そうかい漫ゝまんまんとして、詣人けいじんの眼をおどろかし、はまぐり 茶屋ぢややには 団扇うちわの音たゆるときなく、弥生やよい汐干しおひ水無月みなづき御湯おゆなど、みな このいそに遊園して、神慮しんりよの深きをあふぐといふべし。


※ 「長峽浦」は、「長映浦」という字に見えますが、実際の地名に照らして「長峽浦ながおのうら」としました。
※ 「水無月みなづき御湯おゆ」は、住吉祭の神輿を海で清め洗う神事の陰暦六月十四日に、長狭浦で海水を浴びて無病息災を祈ったそうです。住吉の潮湯しおゆ。住吉の泥湯。

住吉の浦 高灯籠は本社の真西に在て
夜毎入船の目印となす
此所を長峽浦といふなり
皆此磯に遊園して神慮の深きをあふぐといふべし



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