鉄山の絵
鉄山の絵
鉄は堀出したる土ながらに、水にながして鉄を取るなり。あさき流川に、むしろをしき、その上ほりだしたる山土をながしかくれば、鉄はむしろの上にとまり、土は皆ながれ行なり。
石見、備中、備後の三ヶ国おほく鉄あり。備中に真金ふくことといへる歌あり。古今集にのせたり。延㐂天皇の御時、すでに備中におほくかねを堀たると見えたり。かねは 金銀銅鉄の惣名にて、鉄は黒金なり。
※ 「備中に真金ふくことといへる歌」は、「まがねふく吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ」という歌。古今和歌集。
※ 「延㐂天皇」は、醍醐天皇のこと。延喜帝は醍醐天皇の別称。
※ 「惣名」は、総称。
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