見出し画像

【大阪】住よし反橋

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『住よし反橋(浪花百景之内)

当社たうしや境内けいだい 勝地せうち絶景ぜつけいなるは、往古むかしよりうたどころにして世人せじんのよくところ なれば、今さら腐毫ふがうにいふべくもあらじ。就中なかんづく反橋そりはしはそのたく稀代きだいにして、社頭しやとうにあるたぐひにあらず。

大花表おほとりゐまへ は、和泉いづみ紀州きしう往還おうくはん にして往来ゆきゝたへず。常に 松風まつかぜ 颯々さつ/\ として、神慮しんりよともにすゞしく、実に 海内かいだい無双ぶさう神地しんちといふべし。

※ 「腐毫ふがう」は、腐ったりすりきれたりした筆 から転じて、自分の筆跡をへりくだっていう言葉。
※ 「社頭しやとう」は、社殿の前のこと。神前。
※ 「海内かいだい無双ぶさう」は、この世に比べるものがないほど優れていること。

大花表前は和泉紀州路の往還にして往来たへず
反橋はその工み稀代にして他の社頭にある比ひにあらず
常に松風颯々として神慮ともに涼しく
実に海内無双の神地といふべし



筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖