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Episode of vice captain 5

5 +Vice captains ②

 木の合間からワラワラと群れ出て来る子どもたちを、ジェイルは真正面に、アヤツジとアッシュは振り返って見ていた。
何十人ともつかない数の子どもたちが、わあーっと歓声を上げて3人を取り囲む。

「遊ぼー」
「お腹すいたー」
「ねぇねぇ、絵ぇ描ける?」

事態が理解できないまま賑やかさに巻き込まれた。

1人の少女がアヤツジにまとわりつきながら話して来る。
「私ねー、昨日ねえ、妹と遊んでたらね、こーんな大きな虫がいたのー」
キャキャっと笑った。
幼い子によくある、取り止めのない話だ。
ジェイルもアッシュも同じように、子どもたちに囲まれて何やかやと相手をさせられている。
3人とも、こんな森の中にこれほど大量に子どもがいるのはおかしいとは分かっていた。
だが、子どもに話しかけられれば相手をしないわけにはいかないし、せがまれれば遊ばないわけにはいかない。
アヤツジはうんうんと話を聞き、アッシュは尻尾や耳を触らせ、ジェイルは男の子によじ登られていた。

 傍目には、お兄さんやお姉さんが子どもたちと遊ぶ微笑ましい光景だった十数分後。
子どもたちの相手をするのにしゃがんだため姿が見えなくなっていたジェイルが、乱暴に立ち上がって集団から距離をとった。
すぐにでも切り掛かれるように、刀に手をかけた姿勢で子どもたちを見る目は鋭いが、驚きや動揺の光が揺れている。
ジェイルの左袖が切り裂かれ、切り傷から血が滲んでいた。

立ち上がった時に転げ落ちた少年が。
距離を取る際にぶつかった、尻もちをついた子ども達が。
無表情で立ち上がる。
と同時に、スイッチが入ったようにニパッと笑った。
「ねぇねぇ、絵ぇ描ける?」
聞き覚えのあるセリフを言いながら、ナイフを構えてジェイルに突進して行った。

それを唖然と見ていたアヤツジの腕を、微かな痛みがよぎる。
バッと痛みの方を見ると、ナイフを持った少女が驚愕の表情で、そしてうろたえてアヤツジを見上げた。
「…なんで…?お姉ちゃんごめんなさい…私、なんで?」
泣きながらナイフを突き出してきた。
それを着物の袖で受けながら見ると、周りの子ども達も張り付いたような笑顔でナイフを持っていた。
「お菓子食べよ」
「おもちゃ持ってくるね」
口々に言いながら、目一杯の力で刺して来る。

少女以外の子は感情がないのだろうか。
アヤツジは、少女を子ども集団の外に突き出して、鞘のまま刀を構えた。

この子たちはおかしい。
そう思うのだが、この子たちが何なのかわからない以上、殺すことはできない。
なるべく怪我をさせないように攻撃を防ぎ続けるしかなかった。

1人、2人、3人、4人…

気を失わせるように攻撃をしているのに、すぐ目を覚まして襲って来る。
ナイフを落としても素手で向かって来て、埒が明かなかった。
これを続けても体力が地味に削られるだけだ。

アヤツジはアッシュに声をかけた。
「アッシュさん。ウキグモさんたちに、この状況を伝えてください」
「ですが…」
ジェイルと視線を交わし、頷き合ってから、躊躇うアッシュを促した。
「あなたが一番速いですから。ここは2人でも大丈夫です」
「急ぎ参ります」
アッシュは子どもたちの間を器用に縫い出ると、わき目もふらず森に入った。


 アッシュは早かった。
アヤツジとジェイルが聞き覚えのある声を聞いたのは、それからわずか十数分後だ。
「大丈夫か!?」
薮を割りウキグモが姿を現す。
続けて出てきたハナヨイが言った。
「こいつぁえらい数の人形だな」
ウキグモが鞘を払い、ハナヨイが帯から刀を引き出す。
「ほーら、お前ら。こっちにもいるぜ」
鞘を回すように鎖を解くと、その音に、1ミリも動かない笑顔で子ども達が振り向いた。
「こりゃさすがに気味が悪ぃな」
同じ笑顔がズラリと並ぶ光景に、ウキグモがブルっと縮み上がる仕草をする。
おもむろに地を蹴ると、向かって来た子どもの1人を斬った。



「全部、偽物の子どもなんですね?」
「人形」と行ったハナヨイにアヤツジが確認する。
刀を鎖鎌のように振り回し、数人の子どもをまとめて斬りながらハナヨイは答えた。
「そうだよ、ほれ」
斬った子どもの方を顎で示す。
笑顔のまま真っ二つにされた子どもの胴体は、切り離された体がバラバラっと地面に落ちると同時に溶けるように消えた。

鎖鎌状の刀を吊り戻すハナヨイの横から、
「おい、あっぶねえなあ」
とウキグモの声がする。
鎖を引いた際に少し剣先がブレていたらしい。
「悪ぃ悪ぃ」
柄をキャッチしながら謝るハナヨイの目の前で、剣先を避けたウキグモが体勢を整え。
踏み込むと同時に刀を横なぎに払った。

一手にしか見えなかった。
だが数人の子どもが、違う角度の刀傷を負って消える。
「何回斬った?」
思わず聞いたハナヨイに、事もなげに答えた。
「見りゃわかんだろ。5回だよ」
「見ててもわかんなかったなぁ」
ハナヨイは首をひねりながら独り言を言うと、子どもが多くいる方へ向かうウキグモの背中を追った。

 集団の元に着くと、ハナヨイは外周一番近くの子どもに軽く刃先をかけた。
その子が体勢を崩したのを手始めに、隣の子、その隣の子と刃先が移動する。
衣装についている赤いヒダがフワリと身体について行き、しなやかに舞い踊る所作のようなのだが、全てコンマ数秒内のこと。
傍目には、紫・白・赤と帯状に色を持つ風が吹き過ぎたように見えるだけだ。

ランダムに位置していた子ども数人がよろけ、ちょうどハナヨイに近い位置に集まる。
その1まとまりを一気に薙ぎ斬った。
子どもがパッと消える。

同じことを繰り返しつつ進んで行くにつれ、集団のかなり中央寄りで子どもを斬っているジェイルの近くまでたどり着いた。

 振動を纏うジェイルの剣で切られた子どもは水風船のように弾ける。
相手の力を利用することによって自分の力をほぼ使わなくて済むハナヨイと違い、触れれば内部破壊できるジェイルの極みはシンプルに労力を使わない。
それ自体でとても効率の良い剣技だった。

 子どもが小気味良いほどに次々と消えてゆく。
一振りで2人。次の一振りで5人。
連続する破裂音はいっそリズミカルなほどだ。
だがその剣筋はいつもより思い切りが悪く、ハナヨイはジェイルに声をかけた。
「どうしたよ」
斬り手を止めないまま答えた。
「さっきからずっと、子どもを叩きのめし、子どもを気絶させ、子どもを殺し続けてる」
ジェイルは言って、3人斬った。
「いい加減、堪えるよ」
そしてまた4人斬った。
「そうかい」
酒屋で見かけた時から、マネキン人形くらいにしか思っていなかったハナヨイは呟いた。
「お前さんにゃ、ちゃんと子どもに見えてんだな」
しばらく並んで斬った後、言ってみた。
「俺ぁなんともねぇんだ。数も減って来たし、残りはやろうか?」
「大丈夫だよ」
ジェイルは言った。
「ここで変わってもらったら副隊長じゃなくなる気がする」


「おい、もう一気にカタをつけるか」
背後からウキグモの声がした。
攻撃をいなしながら徐々に真ん中に集まり、全員で360度カバーする背中合わせになる。

子どもにグルリと取り巻かれた4人の声が揃った。

「雲の極み『流水行雲』雷騰雲奔」
「震の極み『振煌極舞』」
「調の極み『拈華微笑』了」
「凛の極み『翔凛果』津軽」


稲妻が縦横無尽に走り
火炎の一閃
紫電の水茎柔らかく
一瞬の静



囲む子どもたちが、同時に雲散霧消した。



「…こうやって死ぬんだよな」
ウキグモはなんとも言えない気持ちで呟いた。
「親たちは、死んで消えてから初めて、自分の子どもが本物じゃなかったって知るわけだ」


 皆が自分たち以外誰もいなくなったと思っている中、アヤツジは目の端に少女を留めていた。
子どもの囲いから突き出された少女は、そのまま木の陰にいたようだった。
誰も攻撃しないように、自分の膝の下に、一生懸命両手を押さえつけている。

近づくと、少女は泣き腫らした目でアヤツジを見上げた。
アヤツジは膝をつき、少女と目の高さを合わせる。
すると少女は、泣きながら頷いた。

アヤツジは少女を抱きしめた。
抱きしめたまま、刀で背中から胸まで貫いた。
体温と質量はあっけなく消えた。
自分の刀だけが残った。


戻った時、ジェイルが声をかけてくれた。
「大丈夫?」
アヤツジはちょっと微笑む。
「大丈夫です。私は副隊長ですから」
けれど何か言おうとしても、続きの言葉が出て来ない。
大丈夫な根拠など、他に何一つなかった。
しばらく口をつぐんでいたアヤツジは、最後に言った。
「でも、しばらくの間、一番後ろにいさせてください」



極み能力:ジュリアさん


その頃。
洞窟にはアッシュだけでなくジュリアもいた。
「俺様は服が汚れんのは嫌いなんだよ」
「そう言うから自分が迎えに行ったんじゃないですか」
子どもは夜闇に紛れて交換し直す予定だが、それまでに、この子どもたちが今どういう状態なのか調べておいた方がいいとジュリアに来てもらった。
だが森の中を歩いてここまで来るのを嫌がるので、アッシュは人にあまり見せたくない狼の姿にわざわざ戻ってまで、迎えに行き連れてきたのだ。
「ここ見ろよ、ここ」
ジュリアは着ているシャツの裾を、アッシュが見えるように引っ張った。
そこにはよく見ないとわからないくらいの土汚れがついている。
「あの天井の入り口通る時に汚れたんだよ」
心の底からどうでも良いし面倒くさい。
「洞窟の入り口から入ってもどうせ汚れますよ。それより、この子たちどうなんです」
チッと舌打ちをしたジュリアは往診鞄を床に置く。

「雷の極み『患部鼓動検査(バイタルチェック)』」
極みにより微弱な電流を発生させ、子どもたちの体に触れて身体状況を調べにかかった。

OK
OK
OK
グリーン

グリーンの子どもには紙でできた腕輪のようなものを手早く巻き付ける。
そしてトリアージカードの色味を使った報告が、再び洞窟内に静かに響く。

規則的に繰り返される言葉は、不思議と、ここが外から隔絶された安全で特別な区間であるような幻想を抱かせた。

「往診鞄持って来い」
最初のグリーンの子どもの場所に戻りジュリアが言う。
持って行くと、器用に片手で鞄を開けた。
どこに何を入れているかよく分かっているのだろう。
そちらを見もせずに、個包装のアルコール綿と注射器を出した。
包装を歯で破ると同時に、注射器を持っている手は針を覆うカバーを外す。
消毒して注射をすると、鞄に空の注射器を投げ入れた。

注射跡にホワイトテープで脱脂綿を貼り、
「この俺様が診てやったんだ。元気に家に帰れよ」
そう言って紙の腕輪をビッと破りとるジュリアの横顔はいつもより優しい。

 さっきはあんな少しの汚れで文句を言っていたのに、しゃがんだまま移動するせいで、シャツとズボンの裾はどんどん土に汚れていっている。

 ジュリアからするとアッシュもオーディエンスということになるのだろうか。
その大げさな名称は、だが今の自分に確かにふさわしいのではないかと。
落ち着いた時間が流れる中で、一瞬だけアッシュは思った。




  ジュリアの作業が終わった頃、ちょうど森から4人が帰ってきた。
ジェイルとアヤツジのケガを治療し終わると、昼か夕方か微妙な時間になる。
「ありがとうございました。僕たちは夜中まで残ってアッシュを手伝いますが、ジュリアさんは暗くなる前に帰ったほうがいいんじゃないですか?」
ジェイルの言葉にフンと鼻で笑うと答えた。
「確かに俺様の診断と治療は完璧だ。けどお前らがケガさせちゃ意味ねえからな。監視がてら残ってやるよ」
「分かりました」
やれやれと肩をすくめたジェイルは、次にウキグモとハナヨイの方を見て言った。
「ここから子どもを出すのに、倒木は片付けといたほうがいいよな」
ハナヨイはウキグモに目をやり、ウキグモが頷いた。
「洞窟入り口の方が広いが上から土が崩れてくるかもしれねえしな。あっちを使おう」
と顎で奥の入り口を示す。
「子どもはバケツリレー形式で運ぶのが速ぇかな。ってぇことになりゃ入り口にもう1人分広さが欲しいとこだ」
ハナヨイの言葉に、入り口を下から見上げられる位置に移動したジェイルが、鞘の先で天井をコンコンと突いた。小石がぱらっと落ちてくる。
「ああ、いけそうだな。木を除けたら広げるよ」


 出入り口を塞ぐ木々を全て取り払うのには、思ったより時間がかからなかった。
動かすのが大変そうだと思っていた積み重なる大木が、衣装を裏切るアッシュの怪力のおかげで、予定より早く動かせたからだ。

 ジェイルが出入り口周辺の天井に刀の刃を当てる。
ビンと振動音がしたかと思うとパンッと入り口が2倍程度になり、今までそこにあった石と砂がいっ時滝のように流れ落ちる。
薄い砂埃の帯が洞窟入り口から吸い出され、また辺りが晴れた時には、肩から穴の外に出せるようなちょうど良い足場が、流れ落ちた土でできていた。


一通りの作業が終わった時、唐突にハナヨイの声がした。
「おい、でっけぇ夕日だなぁ」
一同が振り返ると、灰青色と卵色が混じり合う空の底にオレンジ色が沈澱する、夕焼け空だ。
洞窟の形に切り取られた景色の中、真っ直ぐに森を切り裂いている地の裂傷の先に、夕日があった。
地平線の丸みを帯びた黒い森林の影を喰うほどに、赤く大きく揺らいでいる。

「私は、何のために軍人になったのでしょうか」
赤光を浴びながらアヤツジがポツリと呟いた。
「誰かを助けたかったのに、傷つけてばかりいる」
ジュリアが言った。
「ここは軍隊なんだ。お前らはこれからも人を斬り、時には死ぬやつもいるんだろうよ」
けどな、と言葉を継ぐ。
「助けたい奴がいたら、敵でも何人でも連れて来い。この俺様が生かしてやる」


夕日の赤が消えるのを6人で見ていた。

やがて残照が森林に溶け、藍色の空に薄い月が浮かんだ。




 簡単な食事をした後、仮眠をとると夜中になった。
ちょっと月に目をやりアッシュが立ち上がる。
2メートちょっとの低い天井は手を伸ばせば届くようで、その天井を押すように背伸びをすると、腰に手を当てて皆を見回した。
「ここからは自分の出番ですね」
満月の光が差し込み、耳のある銀髪と黒い執事服を縁取っている。
元々、天井を衝くほどの大きな体躯だが、今日はさらに大きく見えた。

 天井の出入り口から、木を取り払った土崩れの坂を身軽に頂上まで登る。
外の担当予定として出入り口から顔を出していたウキグモとジェイルを振り返ると、一言、断りを入れた。
「ちょっと失礼します」

 何のことだろうと思う間もなく、アッシュの体が仄かに光を放ちだした。
どんどん強くなる光源の中の影が、なめらかな動画のように、二本足から四本足になり大きくなってゆく。

数秒後。

 唐突に光が吸い込まれたそこには、月光を浴びて輝く白銀の狼がいた。
水を払うようにブルっと体を震わせると、2メートル越えの体から、いつもよりやや低めのアッシュの声が響く。
「では子どもたちを背に積んでください。3人ずつぐらいなら落とさずに運べると思います」



「驚いた…ホントにアッシュなんだな…」
ウキグモの言葉に、何となくバツが悪いような雰囲気の答えが返って来た。
「人型でも力は変わらないのですが、この方が速いので。自分のバランス感覚がもう少し良ければ、もっとたくさんの人数を運べるんですが」
「バランスの問題だけなら、誰か人が乗れば少し多めの人数も運べるってこと?」
ジェイルの質問にアッシュは頷いた。
「そうですね。筋力的には問題ありません」
それを聞くと、ウキグモを見て言った。
「俺が乗って行ってもいいかな」

「大丈夫だろ。できるだけ短時間で終わらせたほうが良いだろうしな」
出入り口の直下からハナヨイの声がした。
「アッシュのガラは思ったより大きそうだし、ジュリアも残って手伝ってくれるってんなら大丈夫だろうよ。中はジュリアとアヤツジに繋いでもらって出入り口に俺がついて、坂の途中にウキグモがいりゃいけるんじゃあねぇかな。アッシュにできるだけ下まで覗いてもらえりゃ、お前の身長なら手ェ伸ばせば届くだろうぜ」

ジュリアが抱き上げた子どもをアヤツジが出口まで運び、ハナヨイが受け取ってウキグモに渡す。それをアッシュが咥え、背中のジェイルに渡した。
5人くらいが、ジェイルの両手が抱き止められる最大人数のようだ。
「持つ場所なくて大丈夫かよ。道は悪いぞ」
ウキグモが声をかける。
「多分大丈夫だけど、子どもを落とさないようにしないとだな」
依然眠ったままの子どもはクタッと思う場所に据えられるのだが、しっかり抱いていないとすぐに位置がズレてしまう。
「これを使うのはどうだい?」
ハナヨイが鎖つきの刀を腰から抜き、ジェイルに見えるように持ち上げた。
ハナヨイからウキグモに、ウキグモからジェイルに投げ渡される。
ジェイルが受け取った時、ハナヨイが声をかけた。
「お前さんトコの隊長に細工してもらった刀だよ」

お前さんトコの隊長。
言われた瞬間、ジェイルは、ふっと肩の力が抜けた。
この刀があれば全部うまく行く。何となくそんな気がする。

刀の鎖をアッシュの胴に巻き、そこに足を引っ掛けると、自分と子どもを一巻きし、刃を鞘に収める。その刀を蛇口のように捻りキツさを調整すると、胴に巻いた鎖の下に挿して固定した。
「そのくらい1まとまりになっていてくだされば、自分もバランスをとりやすいです」
言ったアッシュが体を低くして構えるのに合わせ、両手一杯に抱いている子どもたちの頭を庇うように、自分も頭を下げた。
「出発しますよ」

直後。
塊のような突風が体を殴った。

 ザーッと体の上を流れる音と触感は、葉擦れなのか風なのか。
パキパキと音が弾け、時にそれとともに枝が飛ぶ。
馬なんかより余程乗りやすいのはアッシュが気をつけてくれているからだろう。
鎖をかけておいて良かった。ほぼ横坐りになっているので、思ったより安定性が悪かった。

10分弱だろうか。
急にバッと目の前が明るくなる。
顔を上げると、朝出発した場所だった。


6 +Vice captains ③









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