「偉そう」と言われ続けた人間どす
これを書くか書くまいか、悩んだけれど。
書こう。ものを書く人間が、書かずに悶悶とするもんじゃない。
ってことでこちら。
優しいちゃこさんの優しい記事。
私、母親にずーっと、「偉そう」と言われて育ったんですよね。
最近は、感化された妹にも言われる。
心当たりはない。
ただ妹には、「同じクラスにいたら絶対仲良くなってないよな」と言われて、まあ確かにな、と思ったし、実際に人種が違うレベルで価値観が合わない。
だから、あー私は多分「偉そう」側の人間なんだろうな、と思いながらこの記事を読んだ。
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その証拠に、ちゃこさんの記事にある、京都の会社のエピソード。
自分なら、「嫌い」とは思っても、「偉そう」とは思わないだろうな、というのが率直な感想だった。
いや、多分、めちゃくちゃデカイ声で言いますけどね。友だちに。
「聞いて!あの会社!めっちゃ嫌い!終わってる!嫌い!」
って。
京大枠って書いてる茶封筒ドンって!
置いてあってん!
最悪やろ?
わざとかよ!!!!
隠せよ!せめて隠せよ!
いやていうか、京大出身ってだけで、そいつ人格破綻者やったらどないすんねん!
京大どうしで仲良しこよししとけっつうねん!
ほんでまたな、「就活塾」とかいう、謎のセミナーに誘われてん!
謎のおっさんに!
会費いくらです、つって。たっっっか!
高いやろ?
金も高いし意識も高いし。
ムリムリムリムリ。
アメトークにコネあるっつーて、自慢しとったわ。
他に自慢することないんかいっていう。
一緒にご飯行った女の人もさあ。
バリバリ出来ます系なんか何か知らんけど。
「語尾が嫌い」とか、いきなり言うてくんねん。
ありえんやろ?
えっ、聞いた?今私、あんたの好み聞いた?って感じちゃう?
なんなん?
ずけずけ言うのが出来る女やと思ってるわけ?
ハア?
傷つく。めっちゃ傷つくわ。
いやでも知らんしな?!おたくの語尾の好みは知らんし!
ですえ〜どすえ〜やないと受け入れられんのかな!京都人は!
ほんま嫌いやわ!
みたいなことになる。
酷いですね。民度が低い。お目汚しすみません。
こんなの書いたら、お里が知れますな。
あ、なに?ちなみに?お里?ですか?
京都ですね。
ええ、そう、何でこんなに京都への当たりが強いのかというと、私の出身が京都だから。
だから何だということでもないんだけど。
何かちょっと…
アッ、うちの京都がすんません…みたいな気持ちになったりならなかったり…
アッ、洛外のもんが、うちの京都とか言って、ヘエ、えろうすんまへん…
いやほんと、私に京都の何が分かるわけでもないし、全くもってうちの京都ではないのだけど。
「ごめん!言っていい?語尾が嫌い!」
まさかのこのセリフ回しで、地元の中学を思い出した。
ああ、いたいた。こういう子、結構いたなあ〜って。
お里〜。
大人の今は、さすがに言わなくなってる、と思うんだけど。
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謙虚さ、というのは難しい。
つい最近のこと。私の伯母はけっこう綺麗な人で、肉まんみたいな私とは全然似ていない。
私が、
「美人は美人で、苦労があると思うんですよね」
という話をした時も、
「美人で頭がいい、という時点で、母は伯母さんのことが嫌いなんです」「見下されてるって言うんです」
という話をした時も。
伯母は一言も、美人を否定しなかった。
素振りすら、なかった。
で、私は帰ってそのことを思い出して、むふふと笑った。
好きだなあ、と思った。
いい。否定しなくていい。
その潔さが、とても好ましかった。
夫は、仕事のメールを書きながら、よく、
「先輩に、『必要以上の敬語は、かえって不敬だ』と言われて納得した」
と言っている。
適切な分量の謙虚さ、ってなんだろう。
見る人が見れば、私は「偉そう」だろうし、見る人によっては、そうではないかもしれない。
「偉そう」だと思われたら、応援されないのだろう。
ちゃこさんの言う通り、応援されるのが大事な時代、というのはその通りなのだと思う。
けれど、だとしても、私は丸くはなれない。
「偉そう」と母親に言われ続けて、自分を曲げなかったから戦いに消耗して、そういう意味では損をしたけれど、自分を守り抜いたら味方が見つかって、損以上の得をした。
自分と味方が信じられる。これ以上のことは私にはない。
「偉そう」だったら、仕方ない。ご縁がなかったのだ。
だけど、ご縁のあった人は、ありがとう。とても嬉しい。これからもよろしくお願いします。
いつもありがとうのかたも、はじめましてのかたも、お読みいただきありがとうございます。 数多の情報の中で、大切な時間を割いて読んでくださったこと、とてもとても嬉しいです。 あなたの今日が良い日でありますように!!