OM SYSTEMと手ブレ補正とノイズ 後編


お待たせしました、前回の続きです🙇🏻‍♂️


②元来の強力手ブレ補正機能

 現在販売されているOM-1 Mark IIはレンズとの組み合わせで最大8.5段という手ぶれ補正機能を有しています。これはCIPAという組織が定めた規格に則って算出した数値ということらしいのですが、小難しい話は私もよく理解してないのでここでは割愛します。

 少し古い記事かもしれませんが、OLYMPUS時代のOM-D E-M1X誕生ストーリーに、現在も引き継がれる元来の強力な手ブレ補正機能についての詳細が掲載されております。

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OM-D E-M1X開発者が語る、誕生ストーリー
04 飽くなき挑戦で世界最高の手ぶれ補正を実現 どんなシーンでも手持ちで撮れるように
https://jp.omsystem.com/cms/product/dslr/em1x/interview/04.html


 しかし、5軸だの8.5段だの数値として提示されただけではピンと来ない方もいるかと思います。
 じゃあ具体的にはどういう形で私たちの撮影にその技術が反映されるのか?次の項目から実際の作例を用いて説明してみようかと思います。


手ブレ補正機能を用いた撮影例

手ブレ補正ON 手持ち撮影
SS1/25 f/5.6 ISO200 -2.0EV

 例えばこの写真。多少レタッチやトリミングを施していますが、しっかり羽毛の細部も解像しているかと思います。

 まだ朝日も差し込まない早朝の暗い冬の山中。35mm判換算値600mmの超望遠レンズを使用。手ブレ補正をONにして、手持ち撮影でシャッタースピードは 1/25 に設定しております。

 野鳥撮影をしている方なら分かってもらえるかと思いますが、ちょこまかと動き回る小鳥をブレずに留めようかと思うと最低でも1/125〜1/200、慣れない初心者なら1/400くらいは欲しいところだと思います。

 恐らくですが、野鳥撮影におけるこのSS1/25という設定値、しかも超望遠レンズという大きく重たいものを手持ちしている状態でブレなく撮影するのはなかなか難しく感じる人は多いのではないかと思います。

 しかしここで活躍するのが今回の主題であるOM SYSTEMの手ブレ補正の強さです。5軸だの8.5段などの数値はこうしたブレの起こりやすいシャッタースピードでもカリッとした画質で撮影できるようにキープしてくれる目安となります。
 そしてそこに前回言及したOM SYSTEMのボディやレンズの「軽さ」が加わることにより手持ち1/25のシャッタースピードを実現することができます。 

 システムが軽量化され手ブレ補正が強力になることで、従来なら三脚や一脚を用いないとできなかったシャッタースピードを手持ちで実現できるようになる、というのがOM SYSTEMを使用するメリットの一つです。三脚が要らなくなれば荷物が減るので移動も楽になりますよね。

 ちなみに失敗は増えますが、やろうと思えば手持ち撮影で1/10でも1/5でも撮れることは撮れます。しかし顔はピタッと留まっていても呼吸しているお腹が動いてブレてしまうという現象が起こるので1/25くらいが現実的かなと感じています😅

 しかしなぜここまでシャッタースピードを下げる必要があるのか。答えは簡単。ISO値を稼ぐためです。

 マイクロフォーサーズにおけるISO値の上昇は画質の劣化ノイズの増大にシビアに関係してきます。
 画質やノイズについては前回説明したと思います。光を取り込むセンサーが小さいという弱点がありつつも、私はそれでもノイズの少ない解像感の良い写真に仕上げたいという欲望があります。

 その欲望を叶えるための基準の一つとなるのが「ISO200」です。

 これは明るさの少ない状況でもできるだけISO200に近づけるようにシャッタースピードを抑えたりEV値を下げたりして調整していくという意味です。

 もう一度書きますが、SSを1/25まで下げた理由は、まだ朝日も差し込まない早朝の暗い冬の山中にいたからです。ISO200になりさえすれば、日が昇って明るければ1/1000でも1/4000でもいいんです。あくまで「手ブレ補正」について説明するために極端な例を用いておりますのであしからず。

 前回ノイズ除去ソフトが進化したと言っていたのだから、別にISO200にこだわる必要はないんじゃない?と思うかもしれませんが、ノイズは消えても解像感はマイクロフォーサーズではISO値が少し上がっただけで大きく変わってきますので、私は可能な限りISO200を意識するようにしています。見てくれる方はそこまでの差は気にならないとは思いますが、そこは私なりのこだわりですね。
 しかしISO200にこだわり過ぎると被写体ブレばかり起こってまともに撮れなくなるのでご注意を。

SS1/100 f/2.8 ISO800
マヌルネコの舌ペロがブレない
ギリギリのシャッタースピードで撮りました


SS1/250 f/4 ISO4000
水族館撮影はISO高めになりがちです
SSを下げても手ブレしにくい
OM SYSTEMの特長を活かせます。
ノイズ除去ソフトのおかげで仕上がりも綺麗です


③ゴミの付着が少ない


 OM SYSTEMは軽量コンパクト防塵防滴という強みを活かして、荷物を極力減らしたい登山やキャンプ、水しぶきが飛び散る滝の下での撮影、砂ぼこりが舞う運動会、水中での撮影など、アウトドア用途の路線を開拓しております。三脚が使えないシチュエーションでの使用も多くあるのと思いますので、手ブレに強いOM SYSTEMのメリットが生かされてきます。


暗くてシャッタースピードを抑えたい場面でも手ブレ補正がしっかり効いています。

 ⬆これは水かぶりの席から撮影したイルカショーの写真です。海水はカメラの天敵ですが、前列に座っているとしぶきが容赦なくかかってきます。OM SYSTEMは防滴性能のおかげで少々の海水でも直ぐに丁寧に拭き取れば大丈夫です。(ズイコーレンズ装着時に限る。あと防滴性能を過信しないようにしましょう…)


   名前からも連想できるようにマイクロフォーサーズはセンサーサイズが小さいが故に暗さに弱くノイズが出やすいというデメリットがありますが、センサー部の面積が小さい分、埃などゴミが付着する量が少ないというメリットもあります。さらにダストリダクション機能を備えており、センサー部に付着してしまったゴミも毎秒30000回以上の振動で弾き飛ばしてくれます。

 前回も話しましたが、私は屋外で撮影する際でもレンズやテレコンを頻繁に交換します。それだけセンサー部にゴミが付着するリスクが上がるわけですが、このダストリダクションのおかげでこれまでOLYMPUS・OM SYSTEMのカメラを4台使ってきておりますが、一度もセンサークリーニングしておりません(不精とかそういう意味ではないですよ)。
 アウトドア用途の需要があるということは、それだけ屋外でレンズ交換をしたり風雨に当たったり汚れた手で使用したりする機会が増えるということなので、三脚を不要にできるレベルの強力な手ブレ補正とこの防塵防滴ダストリダクションは相性の良いものだと使用していて実感できます。


まとめ

 軽量コンパクトで気軽に持ち出しやすく、手ブレ補正が強力に効いてくれるので撮り直しが最小限にできる。多少荒く使っても少々の雨風はへっちゃら。気になるノイズもノイズ除去ソフトが解決してくれる。と言うように、マイクロフォーサーズセンサーを採用しているOM SYSTEMは、その弱点を持ってしても有り余るほどのメリットを有しているカメラとも感じております。

ま、だからといって全ての状況においてマイクロフォーサーズが不利にならない…という訳ではないんですがね…🤐

 今回は少し長くなりましたが、なぜOM SYSTEMの手ブレ補正が良いのかという理由を、多少強引にこじつけた所もありますが、私なりの解釈で語ってみました。


ではまた(^_^)/~


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