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キュビスム展に行ったはなし。

 こちらは母同様に私も「キュビスム……ピカソはいろんな展覧会で見てるしなぁ……」と発表直後は食指が動かなかった展覧会です。

 後日「新美の巨人たち」を見て日本初公開の作品がある、ということが気になってこれまた駆け込みで観に行きました。

 雨の土曜に朝イチで行ったんですが西洋美術館に到着した時点でそこそこの列。とは言え予め当日券は買っておいたので入場までに然程時間はかからず、傘立てにもコインロッカーにも困りませんでした。

展示室入り口前の撮影スポット

 音声ガイドは「いつでもミュージアム・トーク」での配信があったので事前に購入・ダウンロード済み(再生開始したら三木眞一郎氏の声が聴こえてきたので、いったん撮影スポットのあるエリアに戻って刀剣乱舞の近侍を大般若長光に変更しました 笑)

 作品リストを貰って筆記具を借り(壁面に文字が書いてあるとつい書き写してしまう癖があります)、いざ鑑賞。

こういうの大好き

 キュビスム展はモネ展以上に撮影可能な作品が多く、ほぼ全てが対象となっていました。流石に全部撮影していたら作品の鑑賞に身が入らないので、音声ガイドで紹介されている作品とその解説パネル・章の始めの文章で紹介されている作品を可能な限り、あとは個人的に本当に気に入った作品だけ撮影しています。

 まずはキュビスム以前の作品から始まり第一次世界大戦頃で終わるという構成。最初はセザンヌやアフリカ美術が出てきて、後者は何かの本でアートとして価格高騰しているみたいな話を読んだことがあるので興味深く鑑賞しました。

「ヨンベあるいはウォヨの呪物」
いたそう(小並感)

 続いてピカソとブラックによる初期のキュビスム(セザンヌ的キュビスム、分析的キュビスム)に移るのですが、後から調べてブラックによるレスタックの風景画が出展されてるのって凄いことなんだと知りました。流石は50年に1度クラスの展覧会……! しかし分析的キュビスムはほんとに何が描いてあるのかわからないしピカソとブラックの作品並べられても判別できない(笑) この頃のキュビスム作品は殆ど灰色と茶色なのも解りづらい理由ですかね?

ジョルジュ・ブラック「レスタックの高架橋」1908年初頭
セザンヌ的キュビスム
パブロ・ピカソ「肘掛け椅子に座る女性」1910年
ジョルジュ・ブラック「静物」1910-1911年

 総合的キュビスムの時代の作品だと少し判るところが出てきます。

ジョルジュ・ブラック「果物皿とトランプ」1913年初頭

 そして先の二人以外のキュビストの作品へ。ここから画風が作家ごとに一気に広がって、「あれもキュビスムか!」「これもキュビスムか!」と俄然おもしろい気分になってきました。(多分美術史的には正確じゃない感想)

ロベール・ドローネー「パリ市」1910-1912年

 美術館前の看板に採用されている「パリ市」は想像してたのよりずっと大きかったです。

ソニア・ドローネー「バル・ビュリエ」1913年
鮮やかな色彩と曲線のオルフィスム絵画
フランティシェク・クプカ「色面の構成」1910-1911年
キュビスムって感じはあまり無いけど好きな作品
マルク・シャガール「ロシアとロバとその他のものに」1911年
頭が飛び立っている(物理)
アメデオ・モディリアーニ「女性の頭部」1912年
ザ・モディリアーニって感じの顔
レオポルド・シュルヴァージュ「エッティンゲン男爵夫人」1917年
キュビスム的な風景とイラスト風肖像の融合
ナターリヤ・ゴンチャローワ「帽子の夫人」1913年初頭
目玉が強烈な印象を与える
資料類も充実
フアン・グリス「ギターを持つピエロ」1919年5月
埴輪みたい

 特設ショップでは何故かグッズの福袋・詰め合わせ商品の種類が多くて少々困惑しましたが、ポストカード以外にはB6ノート1冊とヨックモックの缶を買いました。

特設ショップで買ったもの

 キュビスム展は「キュビスム=ピカソ、ブラック」という偏見を持っている人間こそ見るべき内容だったのだな、と思いました。音声ガイドで山田太郎氏が「当時の画家がみんな罹るはしかのようなもの」と述べていたのに何となく納得です。 


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