022 農林水産業でIT武装① /こんな学校あったらいいのに
私立大学の観光学部が、千葉県鴨川市から撤退します。
撤退あとは、どうなるんだろうか。
そこに、地域活性化に貢献する、こんな学校ができたらいいのにという妄想です。
引き続き、地域活性化を学ぶためのテーマを考えていきます。
第1次産業のミライは暗いのか?
農業、林業、水産業は第1次産業に区分けされます。第2次産業は製造業や建設業、第3次産業はサービス業になります。
このあたりは、高校の公民の授業でも習った気がします。
ペティ・クラークの法則とよばれるのですが、社会が発展するにつれて、第1次産業から第2次産業や第3次産業へと産業構造の比率が移っていきます。
実際に日本の産業構造の比率は、第1次産業が1%、第2次産業が27%、第3次産業が72%という構成になっていて、他の先進国と同様に第3次産業の比率が非常に高くなっています。
いっぽうで第1次産業は、たったの1%しかありません。さらには農林水産業に従事する人口が減ってきたことが、産業が衰退するイメージを強めています。
ですが、農業の生産額は世界の国々の中で上位10本の指に入るのが日本です。
本当に第1次産業のミライは暗いのでしょうか。
農業に従事する人は減っているのに
農業についてのデータを見ながら、少し考えてみたいと思います。
まず農業就業人口を見てみます。
出典: 農林水産省「農業構造動態調査」
1976年には700万人以上いたのに、いまや約170万人に減ってしまっています。
約半世紀で、四分の一になってしまいました。
2000年からの比較で見ても、半分以下に減ってしまっています。
農業を担う人がこれだけ減ってしまっているのだから、農業から生み出される生産額はさぞかし減っているのだろうと思い、農業総産出額を調べてみました。
出典:https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h27/h27_h/trend/part1/chap2/c2_0_01.html
たしかに、昭和の時代から比べれば、農業総産出額は三分の二ぐらいに減っています、
しかし2000年代に入ってからは、ほぼ横ばいになっています。
労働力は半分に減っているのに、生産量はほぼ横ばい。
いったい何が起きているのでしょうか。
キーワードは生産性
実は農業の生産性が、向上してきていることが背景にあります。
産業別の実質労働生産性上昇率は、就業1時間あたりでは農林水産業がトップで9.3%となっています。
出典:https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/JAMP04_20210323.pdf
上昇率が7%なら10年で2倍に。
上昇率が9%なら8年で2倍に。
上昇率が10%なら7年で2倍に。
つまり7年から8年で2倍の生産性になるレベルの上昇率です。
いっぽうで、そもそもの労働生産性が一番低いのも農林水産業です。
出典:https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/JAMP03_20210323.pdf
農林水産業の就業1時間あたり労働生産性は1,390円で、宿泊・飲食サービス業2,771円の半分、製造業の5,512円の四分の一しかありません。
しかし生産性上昇率を10%で維持し続けられれば・・・
7年で生産性を飲食・宿泊サービスなみに、
14年で生産性を製造業なみに、
引き上げることができるのです。
これから人口が減少する日本では、生産性向上が鍵になってくるのです。